難民不認定処分取消等請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号令和4(行ウ)112
判決日2024-07-04
分類民事
判決文が挙げた条文刑法226条、刑法230条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 本件不認定処分の取消請求関係
原告の難民該当性(争点1)
(2) 本件裁決の取消請求関係
本件裁決の違法事由の有無(争点2)
3 争点に関する当事者の主張
(1) 争点1(原告の難民該当性)
(原告の主張)
ア 難民の意義及び立証責任等について
(ア) 難民の要件となる「迫害」とは、生命又は身体の自由の侵害又は抑圧
に限定されず、国家の保護の欠如を伴う基本的人権に対する持続的又は
系統的危害をいうと解すべきである。すなわち、「迫害」に当たるか否か
の判断においては、広く経済的・社会的自由や精神的自由に対する抑圧
や侵害も検討されなければならず、脅威にさらされている基本的人権(自
由)の性質と、当該基本的人権に科される制限の程度及び損害の重大性
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とを複合的に分析して判断されるべきである。
また、迫害を受ける「十分に理由のある恐怖」とは、主観的な「恐怖」
に十分な理由があることであり、当該申請者が置かれた状況に合理的な
勇気を有する者が立ったときに、「帰国したら迫害を受けるかもしれな
い」と感じ、国籍国への帰国をためらうであろうと評価し得る場合には、
その恐怖に「十分な理由」があるということができるのであって、客観
的な迫害の発生確率等を問題にすることは無意味である。
(イ) 難民の申請をする者は、迫害を避けるために本国を捨て、保護の確証
のない外国において十分な支援を得られないでいるのであり、難民申請
に係る事実の発見の作業において、民事事件で活用される通常の立証基
準をそのまま用いることは合理性のない結論をもたらす危険がある。こ
の点に加え、①難民認定手続は訴訟手続のような対審的性質を有しない
こと、②難民認定手続における審査対象は「迫害のおそれについての恐
怖」という将来予測的な事実であること、③難民認定手続が難民の保護
を目的としており、入管法61条の2の14第1項の規定内容も踏まえ
れば、難民認定機関は、認定者であると同時に申請者に対する協力者で
あることが要求されることなども踏まえれば、難民認定に係る立証責任
及び立証基準の在り方については格別の考慮が必要である。
すなわち、難民認定手続においては、難民申請に係る関連事実を確認
し評価する義務は、申請者と難民認定機関とで分かち合うのであり、あ
る要件に該当する事実の証明ができなかった場合に誰がその不利益を被
るかという意味での立証責任の問題は存在しないというべきである。
また、難民該当性に関して申請者が主張する事実につき、その存否に
疑いがある場合には申請者の利益になるように判断することが必要であ
り、当該事実について、難民認定機関が真実ではないとの確信の域に達
しない限り、当該主張に信ぴょう性がないと結論付けられるべきではな
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主文(判決文より)

1 本件訴えのうち、裁決の取消しを求める部分を却下する。
2 大阪出入国在留管理局長が令和3年2月1日付けで原告に対してした、
原告を難民と認定しない旨の処分を取り消す。
3 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。