事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和2(ワ)12340 |
| 判決日 | 2025-05-14 |
| 分類 | 行政 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑事訴訟法435条6号、憲法31条、憲法32条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 ⑴ 本件死刑執行の国賠法上の違法性の有無(争点1) ⑵ 原告らの損害の有無及び額(争点2) 3 争点についての当事者の主張 ⑴ 争点1(本件死刑執行の国賠法上の違法性の有無)について - 3 - (原告らの主張) 法務大臣は、再審請求中に死刑確定者の死刑執行をしてはならない職務上 の義務を負っており(後記ア)、再審請求人に対してのみならずその弁護人 であった原告らに対してもこの義務を負っていたから(後記イ)、本件死刑 執行は、原告らとの関係で、国賠法上違法である。 ア 法務大臣が再審請求中に死刑確定者の死刑執行をしてはならない職務上 の義務を負っていたこと 以下の規定等からすれば、法務大臣は、再審請求中に死刑確定者の死刑 執行をしてはならない職務上の義務を負っていた。 (ア) 憲法32条 死刑確定者の再審請求権は、司法の判断を受ける権利(司法へのアク セス権)であり、裁判を受ける権利の一内容として憲法32条により保 障されている。それにもかかわらず、行政権の判断で再審請求中に死刑 確定者の死刑を執行することは、司法へのアクセス権を侵害するもので あり、憲法32条に違反する。 (イ) 憲法31条及び刑訴法475条2項ただし書 刑訴法475条2項本文は、法務大臣の死刑執行命令は判決確定の日 から6か月以内にしなければならない旨規定するが、これは訓示規定に すぎない。むしろ、同項ただし書が、再審請求がされた場合、その手続 が終了するまでの期間は、その期間に算入しない旨定めていることから すると、当該規定は、憲法31条の適正手続保障を具体化し、迅速な執 行の要請よりも死刑執行に当たって慎重にも慎重を期すべき要請を優先 させたものと解されるから、憲法31条及び刑訴法475条2項ただし 書は、再審請求中の死刑確定者について死刑の執行停止効を認めたもの と解すべきである。 (ウ) 自由権規約6条4 - 4 - 市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下「自由権規約」という。) 6条4は、死刑を言い渡されたいかなる者も、特赦又は減刑を求める権 利を有する旨を規定しているが、条約法に関するウィーン条約は、条約 の解釈に当たり、誠実な解釈、趣旨及び目的に照らした解釈、実効性の ある解釈並びに自律的な解釈を要請しており、自由権規約6条4を解釈 するに当たっても、これらの解釈原則に沿って解釈する必要がある。そ の上で、①自由権規約6条の趣旨が死刑廃止を目指して死刑執行をでき る限り制限しようとした点にあること、②死刑が廃止されるべきとの国 際慣習法が形成されつつあること、③同条4の「特赦」の原語である 「pardon」は、誤判の救済を含む意味であり、我が国の再審請求を含む 概念であること、④再審請求中の死刑執行が許されるとすると、同条4 による再審請求権の保障の実効性が失われ
主文(判決文より)
1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。