事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和2(ワ)8186 |
| 判決日 | 2025-07-18 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 ⑴ 検察官の本件公訴提起は、国賠法上違法か(争点1) ⑵ 検察官の公訴追行は、国賠法上違法か(争点2) ⑶ 警察官の本件紛失資料の紛失について警察官及び検察官に国賠法上の違法 があったか(争点3) ⑷ 公判担当検察官が本件紛失資料の紛失の事実を弁護人に伝えなかったこと は、国賠法上違法か(争点4) ⑸ 原告の損害(争点5) 4 争点に対する当事者の主張 ⑴ 争点1(検察官の本件公訴提起は、国賠法上違法か)について (原告の主張) ア 判断枠組みについて 公訴提起の国賠法上の違法性は、公訴提起時に、検察官が現に収集した 証拠資料及び通常要求される捜査を遂行すれば収集し得た証拠資料を総 合勘案して証拠収集及び証拠評価の各過程において合理的な判断過程に より有罪と認められる嫌疑があったかどうかから判断すべきである。 したがって、公訴の提起は、検察官が証拠の評価を誤った場合のみなら ず、警察官及び検察官が不十分な捜査しか行わなかったために不十分な証 拠しか収集できず、そのことが誤った公訴の提起につながったような場合 にも国賠法上違法となる。 また、検察官が公訴を提起するに当たって、要求される犯罪の嫌疑の程 度としては、有罪判決に要求されるのと同程度の合理的な疑いを容れない 程度の確信が必要である。 イ 証拠収集及び証拠評価の過程に過誤があったこと (ア) 犯人がCと近しい関係にあるとはいえないこと 本件現場の中からは、現金が発見されておらず、他の金目の物品が残 されているとはいえ、これらの換金等の際に足がつくリスクがあること を考慮すれば、本件殺人等事件の犯人(以下、単に「犯人」という。)が 金品奪取目的を持った外部者である可能性があった。さらに、Cの年齢、 容貌、Cの遺体が下半身に下着のみを着用した状態であったこと及び本 件マンションの防犯設備の状況等からすれば、犯人は性犯罪の目的を持 った外部者である可能性もあった。 ベランダ側アルミサッシ引戸のクレセント錠が外れていたことを考 慮すると、犯人が玄関扉から出入りしたとの確証はなく、犯人の侵入経 路は不明というほかない。玄関扉にチェーンロックがかかっていなかっ たこと、Dが殺害されたこと、殺害後に本件居室の放火をしていること も必ずしも犯人がCと近しい関係にあった場合に限られない。したがっ て、犯人がCと近しい関係にあると認められる状況とはいえなかった。 しかるに、警察官及び検察官は、本件マンションの住民などへのアリ バイに関する裏付け捜査を十分にしないなど第三者の犯行可能性につ いて、適切な捜査を怠り、安易にその可能性を排除したものであり、証 拠収集及び証拠評価の過程に過誤があったというべきである。 (イ) 原告が本件殺人等事件の犯行時間帯に本件マンションに立ち入った とはいえないこと。
主文(判決文より)
1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。