事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 昭和58(ワ)11430 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
主文(判決文より)
原告らの請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 事 実 第一 当事者の求めた裁判 一 請求の趣旨 1 被告は原告a、同b、同c、同d、同e、同f、同gに対し、それぞれ別表 (一)請求金額一覧表総合計欄記載の各金員及び同表年額欄記載の各金員に対する 同表遅延損害金起算日欄記載の各日より完済に至るまで年六分の割合による金員を 支払え。 2 被告は原告eに対し、昭和六二年八月二五日から昭和六四年六月二五日まで毎 月二五日限り金一万七五〇〇円を支払え。 3 被告は原告gに対し、昭和六二年八月二五日から昭和六五年二月二五日まで毎 月二五日限り金一万七五〇〇円を支払え。 4 訴訟費用は被告の負担とする。 5 第一ないし第三項につき仮執行宣言 二 請求の趣旨に対する答弁 主文同旨 第二 当事者の主張 一 請求原因 1 当事者 (一) 被告は、自動車及び自動車部品並びにその粗形材の製造及び販売等を目的 とする株式会社で、昭和四一年八月にプリンス自動車工業株式会社を吸収合併し た。 (二) h(旧姓○○、昭和一四年八月一八日生、以下「h」という。)は、昭和 三三年四月一日に富士精密工業株式会社(昭和三六年にプリンス自動車工業株式会 社と社名変更)に入社し、同社が被告会社に吸収合併された後は、被告会社の従業 員として勤務し、昭和五七年八月九日に死亡した。原告a(以下「原告a」とい う。)はhの夫であり、原告b(以下「原告b」という。)、同c(以下「原告 c」という。)及び同d(以下「原告d」という。)はいずれもhの子である。 原告e(昭和一四年一一月一四日生、以下(「原告e」という。)は、昭和三三 年四月一日に富士精密工業株式会社に入社し、同社が被告会社に吸収合併された後 は、被告会社の従業員として勤務している。 原告f(昭和一五年六月一八日生、以下「原告f」という。)は、昭和三一年四 月一日に富士精密工業株式会社に入社し、同社が被告会社に吸収合併された後は、 被告会社の従業員として勤務している。 原告g(昭和二〇年六月一二日生、以下「原告g」という。)は、昭和三九年四 月一日にプリンス自動車工業株式会社に入社し、同社が被告会社に吸収合併された 後は、被告会社の従業員として勤務している。 2 家族手当支給規程の存在 (一) 昭和四一年九月に制定された家族手当支給規程 被告会社がプリンス自動車工業株式会社を吸収合併した後の昭和四一年九月に制 定された家族手当支給規程(以下これを「A規程」という。)において、被告会社 は、家族手当を支給する扶養家族の範囲を、原則として、配偶者については妻又は 不具廃疾の夫とし、子については満一八歳未満の血族の子三人まで、ただし、従業 員が女子であるときは、夫が死亡、不具廃疾の場合又は疾病のため稼働不能で会社 が特に認める場合に限り、右三人までを扶養家族とすると定めていた(以下これを 「支給制限条項」という。)。 (二) 昭和五二年五月に改定された「家族手当の支給範囲拡大に関する件」によ る支給規程 (1) 被告会社は、A規程を改定することとし、昭和五二年五月に「家族手当及 びバス通勤定期券の支給範囲拡大に関する件」(昭和五二年五月一一日付け)及び 「家族手当について二一二基準」と題する各文書を作成したうえ、被告会社従業員 に回覧するなどし、爾後この規程に基づいて家族手当の支給を申請するように指示 した。 (2) 被告会社は、右各文書において、家族手当の支給範囲について、従業員が 妻の場合でも夫である場合と同様に、実際に配偶者及び子を扶養している場合は、 これらの者を扶養家族として認めることとし、扶養家族である配偶者としては単に 「妻又は夫」とし、また子に関し、従業員が女子であるときは、夫が死亡、不具廃 疾の場合又は疾病のため稼働不能で会社が特に認める場合に限るとする前記制限を 削除した(以下これを「B規程」という。)。そして、このB規程を昭和五二年四 月一日に遡って実施することにしていた。 (三) 昭和五二年八月に改定された家族手当支給規程 被告会社は、昭和五二年八月に家族手当支給規程を改定し(以下この規程を「本 件規程」という。)、第二条において「家族手当は、第三条に掲げる親族を実際に 扶養している世帯主である従業員に対し支給する。ただし、独身の従業員が両親、 兄弟姉妹を扶養する場合には必ずしも世帯主であることを要さない。」と定め(以 下これを「世帯主条項」という。)、第三条において、その扶養家族の範囲を原則 として、配偶者、満一八歳未満の血族の子(三人まで)及び満六〇歳以上の血族の 父母とすることとし、この支給規程のまま現在に至っている。 3 被告会社の家族手当支給規程の違法性 (一) A規程について 前記2(一)記載のとおり、A規程は、従業員が女子であるときは、夫が死亡、 不具廃疾の場合又は疾病のため稼働不能で会社が特に認める場合に限って、その子 を扶養家族と認め、家族手当を支給することとしていたが、この部分は女子従業員 に限り、子の家族手当の支給につき特別の条件を付したものであって、女子従業員 を男子従業員と比べて差別的に取り扱うもので、右の部分につき労働基準法四条に 違反し無効である。また、これは憲法上の公序に反する違法な措置であり、民法九 〇条によって無効となる。 (二) 本件規程について 本件規程は、前記2(三)に述べたとおり、配偶者や一八歳未満の血族の子らの 親族を実際に扶養している世帯主である従業員に対して家族手当を支給することと したものであるが、この世帯主条項は、結果として被告会社が女子従業員に対して 家族手当を支給しない
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。