事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 昭和61(ワ)3891 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
主文(判決文より)
一 被告(反訴原告)は、別紙目録記載の特許専用実施権についての特許庁昭和五 九年三月八日受付第〇〇〇五〇五号の専用実施権設定登録の抹消登録手続をせよ。 二 被告(反訴原告)は、原告(反訴被告)に対し、七六八六万八八五二円及び内 金五〇〇万円に対する昭和六一年七月五日から、内金七一八六万八八五二円に対す る昭和六三年九月八日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。 三 原告(反訴被告)のその余の請求及び被告(反訴原告)の請求を棄却する。 四 訴訟費用は、本訴及び反訴を通じて被告(反訴原告)の負担とする。 五 この判決は、二項及び四項に限り仮に執行することができる。 事 実 第一 当事者の求めた裁判 一 本訴請求の趣旨 1 主文一項と同旨。 2 被告(反訴原告)(以下「被告」という。)は、原告(反訴被告)(以下「原 告」という。)に対し、七七〇〇万円及び内金五〇〇万円に対する昭和六一年七月 五日から、内金七二〇〇万円に対する訴変更申立書送達の日の翌日から支払済みに 至るまで年五分の割合による金員を支払え。 3 訴訟費用は、被告の負担とする。 4 2項及び3項について仮執行の宣言。 二 本訴請求の趣旨に対する答弁 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は、原告の負担とする。 三 反訴請求の趣旨 1 原告は、被告に対し、八〇〇万円及びこれに対する反訴状送達の日の翌日から 支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は、原告の負担とする。 四 反訴請求の趣旨に対する答弁 1 被告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は、被告の負担とする。 第二 当事者の主張 一 本訴 1 請求の原因 (一) 原告は、昭和五八年一月一七日、訴外A(以下「A」という。)及び同B (以下「B」という。)から、次の特許権(以下「本件特許権」といい、その特許 発明を「本件発明」という。)についての特許を受ける権利(以下「本件特許を受 ける権利」という。)を譲り受け、同年七月一五日に特許権設定の登録を受けて、 本件特許権の特許権者となった者である。 出願人 A及びB 発明の名称 液体燃料組成物 特許番号 第一一五五四六八号 出願日 昭和五四年一〇月一七日 出願公告日 昭和五七年八月三日 登録日 昭和五八年七月一五日 (二) 被告は、本件特許権について別紙目録記載の専用実施権(以下「本件専用 実施権」という。)の設定登録(以下「本件登録」という。)を受けている。 (三) 本件登録がなされるに至った経緯は、次のとおりである。 (1) 被告は、昭和五八年三月末頃から、当時本件特許を受ける権利を譲り受け ていた原告に対し、本件発明を実施して合弁事業を共同で遂行したい旨及びそのた めに頭金二〇〇万米ドルを支払うので本件特許権の実施許諾をしてほしい旨申し入 れていたが、更に、同年四月九日、東京都内において、原告代表者C(以下「C」 という。)に対し、合弁事業遂行のためには原告が日本の投資家企業に本件特許権 を実施許諾する用意があることを示す書面が必要である旨申し入れるとともに、日 本語ができないCに対し、範囲を本州地方とする独占的通常実施権を許諾する、昭 和五八年四月九日から九〇日の期間に合弁契約が締結されなければ、九〇日の期間 満了により契約は失効する旨記載された同日付の英文の書面(甲第一三号証の一) を訳文と称して提示し、その旨Cを誤信させ、右書面とは異なった内容、すなわ ち、本件特許権について範囲を日本全土とする専用実施権を無条件で設定する旨日 本文で記載された同年七月三一日付「特許権の専用実施権設定契約書」(甲第一〇 号の原本)に署名を求め、これに署名させた。更に、被告は、前同日、Cに対し、 合弁事業の準備交渉のための委任状であると称して、その旨Cを誤信させたうえ、 弁理士に本件登録を委任する旨の日本文の委任状(甲第六号証の原本)を示し、こ れに署名させた。 また、被告は、昭和五九年二月二七日、台湾において、Cに対し、この付随契約 書(甲第一一号証の一の原本)に署名してくれれば二週間以内に正式契約を締結し て頭金二〇〇万米ドルを支払う旨の話をして、実施権設定の対価について、二〇〇 万米ドルを頭金とし、被告から再実施許諾を受けた第三者が製造する製品一ガロン 当り四米セントをロイヤリティーとする付随契約書に署名させた。 被告は、右特許権の専用実施権設定契約書、委任状及び付随契約書を利用して、 昭和五九年三月八日、本件登録の申請をし、同年四月二七日、本件登録を受けた。 (2) なお、右(1)でされた原、被告間の合意(契約)が、本件特許権につい て本件専用実施権を設定することではなく、独占的通常実施権を設定することであ ったことは、右契約の内容を英文で記載した書面に、いずれも専用実施権を示す訳 語として使われる“sole and exclusive right(又はl isence)”あるいは“senyo-jisshiken”という言葉が使用 されていないことから明らかである。 (四) 右に述べたとおり、本件専用実施権を設定する旨の契約は、成立していな い。すなわち、原告代表者であるCは、前記特許権の専用実施権設定契約書等に署 名しているけれども、これは、右(三)記載のとおり日本語を理解できないCが、 内容を理解しないまま署名したものであって、Cは、独占的通常実施権を設定する 旨の意思表示をしたものである。 また、原告代表者Cには、本件登録の申請をする意思も弁理士をその代理人に委 任する意思もなかったものであって、本件登録は、詐取された委任状に基づいてな されたものである。そして、原告は、本件専用実施権設定について、被告から対価 の支払いを一切受けていないから、登録申請手続の瑕疵を
出典
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