行政処分取消請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号昭和59(行ウ)168
分類行政

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

主文(判決文より)

原告らの本件主位的請求に係る訴えをいずれも却下する。
原告らの本件予備的請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は原告らの負担とする。
○ 事実
第一 当事者の求める裁判
一 請求の趣旨
(主位的請求)
1 被告が、原告イーデン電気技研株式会社の昭和五九年五月二三日付けの、その
余の原告らの同年九月二六日付けの、各電気事業法施行規則七七条二項所定の法人
に指定することを求める申請に対し、原告イーデン電気技研株式会社の申請につい
ては同年九月二六日に、その余の原告らの申請については同年一〇月一五日に、そ
れぞれした右各申請を却下又は棄却する旨の処分を取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
(予備的請求)
1 被告が、原告イーデン電気技研株式会社の昭和五九年五月二三日付けの、その
余の原告らの同年九月二六日付けの、各電気事業法施行規則七七条二項所定の法人
に指定することを求める申請に対し、何らの処分をしないことは違法であることを
確認する。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
二 請求の趣旨に対する答弁
(主位的請求に対する本案前の答弁)
主文一、三項と同旨
(主位的請求に対する本案の答弁)
1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 主文三項と同旨
(予備的請求に対する答弁)
主文二、三項と同旨
第二 当事者の主張
一 請求の原因
1 当事者
原告らはいずれも電気工作物の保安、管理、監督等の業務を目的とする法人であ
り、被告は電気事業法施行規則(以下「規則」という。)七七条二項により、同項
所定の委託契約の相手方となり得る法人(以下「指定法人」という。)を指定する
権限を有する者である。
2 原告らの申請
(一) 原告イーデン電気技研株式会社(以下「原告イーデン」という。)は、昭
和五九年五月二三日に、その余の原告らは同年九月二六日に、それぞれ被告に対
し、規則七七条二項所定の指定法人の指定を受けることを求める旨の申請書を郵便
で発送し、右各申請書は、そのころ被告に到達して受理された。
なお、規則七七条二項は、指定法人について、「別に告示する通商産業大臣が指定
する法人」と定めるが、指定処分の効力発生要件としては、通商産業大臣による指
定行為があれば足り、告示は指定処分を受けた法人の名称を通知する通知行為の性
質を有するに過ぎないものと解すべきであるから、原告らの右各申請の趣旨として
は、主位的には、単に原告らに対し指定法人の指定をすることを求めるのみで、右
の指定を告示の形式によつて行うべきことまでを求めるものではないが、仮に、告
示をもつて、指定処分の効力発生要件と解される場合(ただし、告示の形式をとる
ことが通商産業大臣の行政上の義務によるものであると解される場合を除く。)に
は、予備的に、告示の形式による指定を求めるものである。
(二) 原告らは、右申請に当たつて、電気事業法(以下「法」という。)及び規
則等に指定法人の指定を受けるための要件及びその手続が何ら明記されていないこ
とを考慮して、とりあえず、各申請人の商業登記簿謄本を添付し、その他の必要書
類については被告からの要求に応じて追完する旨を申し出た。
3 申請権の存在
(一) 法は、電気工作物(法二条七項)を電気事業の用に供する電気工作物(法
四一条以下)と電気事業用以外の電気工作物(法六六条以下)とに分け、後者をさ
らに一般用電気工作物と自家用電気工作物とに分類する(法六六条)ところ、この
うち、一般用電気工作物には、具体的には、低圧で電気の供給を受ける家庭用ない
し商店用の電気工作物が該当し、自家用電気工作物には、相当量の電気の供給を高
圧で受け、電気を使用するために変電設備等を有するビル、工場等の電気工作物が
該当する。
(二) そして、電気工作物の保安の確保等に関し、
(1) 電気事業の用に供する電気工作物については、電気事業者は、その工事、
維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、通商産業省令で定めるところによ
り、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなけれ
ばならず(法五三条一項)、
(2) 一般用電気工作物については、電気の供給者(電気事業者)は、供給する
電気を使用する一般用電気工作物が通商産業省令で定める技術基準に適合している
かどうかを調査しなければならないが(法六七条一項)、通商産業大臣が指定する
者(指定調査機関)にその調査業務を委託することができ(法六九条一項)、
(3) 自家用電気工作物については、その設置者は、その工事、維持及び運用に
関する保安の監督をさせるため、通商産業省令で定めるところにより、主任技術者
免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならないが
(法七二条一項)、通商産業大臣の許可を受けたときは、主任技術者免状の交付を
受けていない者を主任技術者として選任することができる(法七二条二項)、
とされている。
(三) ところが、法七二条一項に基づく規則七七条二項は、自家用電気工作物の
うち最大電力五〇〇キロワツト未満の需要設備のみに係る事業場のうち、別に告示
する一定の要件に該当する者又は別に告示する通商産業大臣が指定する法人(指定
法人)との間で、当該需要設備の工事、維持及び運用に関する保安の監督に係る業
務(以下「保安業務」という。)を委託する契約を締結した場合であつて、保安上
支障がないものとして通商産業大臣等の承認を受けたもの等については、主任技術
者を選任しないことができる旨定めている。規則の右規定は、全国に無数にある自
家用電気工作物ごとに一律に専任の主任技術者を置くことが実際的でないため、主
任技術者不選任承認制度(以下「不選任承認制度」という。)を定めたものである
が、法には自家用電気工作物について主任技術者の不選任を承認する旨の明文の規
定はなく、下位規範である省令で上位規範である法律を変更したものとして国家行
政組織法一二条一項に違反する疑いのある立法的に不備のある規定であるから、そ
の不備は、法規範全体の相互の関連、立法目的さらには憲法の精神にまで遡つたう
えで、解釈によつて補わなければならない。
(四) ところで、指定法人の指定を受けるための申請権については、これを定め
た明文の規定は存在しない。しかしながら、これは規則の不備であつて、以下の

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。