殺人

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号令和4(う)1834
判決日2024-07-18
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び当事者の主張
被告人が、平成28年8月9日午前1時過ぎに帰宅した後、119番通報
した同日午前2時45分頃までの間に、被告人方で、妻が頸部圧迫により窒
息死したことや、その当時被告人方にいたのは被告人と妻のほかには幼い子
供らだけであったことには争いがなく、被告人が頸部を圧迫したことによる
他殺か、妻自身が首をつったことによる自殺かという、事件性が争点とされ
た。なお、妻は左前額部に出血を伴う挫裂創を負っており、これが死因では
ないことも争いはなかった。
検察官は、被告人が、帰宅後、妻とトラブルとなって突発的に殺意を抱き、
被告人方1階の寝室に敷かれたマットレス(以下「本件マットレス」とい
う。)上で、背後から腕で妻の頸部を圧迫して窒息させ、妻が窒息死するま
での間に、意識を失った妻を階段から落下させるなどの偽装工作を行い、そ
の際に前額部挫裂創を負わせた旨主張した。
弁護人は、主として被告人の供述に基づき、被告人は、帰宅後、包丁を持
った妻ともみ合いになり、本件マットレス上で妻を押さえ付けたが、妻が再
び起き上がって包丁を持ったことから、2階の子供部屋に入りドアを閉じて
待っていたところ、ドアの外からは「ドドド」などという物音がし、しばら
くして子供部屋から出ると、妻が階段の手すりに被告人のジャケットを巻き
付け、それに首を通して自殺を図っていた旨主張した(以下、これを「本件
自殺の主張」という。)。
3 原判決(第1審判決)
原判決は、本件公訴事実どおりの犯罪事実を認定して、被告人を懲役11
年に処した。その事実認定の理由の要旨は、次のとおりである。
窒息を伴う態様で頸部圧迫されてから二、三分が経過した窒息の第2期
(呼吸困難及び痙攣期)の後半になると、尿失禁が生じたり、血液が唾液に
混じったりすることがある。本件マットレスに、尿斑や唾液混じりの血痕と
いう窒息第2期後半の痕跡がそろっており、それ以外に被告人方に窒息第2
期後半の痕跡が見当たらないことや、被告人の右腕に7か所の表皮剥奪があ
り、妻の指の爪の付着物から被告人と妻の混合DNA型と矛盾しないDNA
型が検出されたことなどからすれば、被告人が本件マットレス上で妻の頸部
を圧迫して窒息死させたことが推認される(以下、これを「本件推認」とい
う。)。尿斑や唾液混じりの血痕が窒息第2期後半以外の事情から生ずる可能
性があり得ないとはいえないが、本件自殺の主張を前提とし、妻が前額部挫
裂創を負った後に自殺を図ったとすると、被告人方の血痕の付着箇所が限ら
れた範囲(寝室、洗面所、階段、階段下の合計15か所)にとどまっている
のは説明が困難であること(以下、このことを「現場血痕の不整合」とい
う。)などからすれば、自殺の可能性は抽象的なものにとどまり、本件推認
を妨げない。したがって、被告人が妻の頸

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。
差戻前控訴審における未決勾留日数中600日を原判決の刑に
算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。