事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成19(ワ)5189 |
| 判決日 | 2010-01-15 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 (1) E医師らが適応がないにもかかわらず本件手術を行った注意義務違反の 有無 (2) E医師らの説明義務違反の有無 (3) 各注意義務違反と損害との間の因果関係の有無 (4) 損害の有無及び額 4 争点についての当事者の主張 (1) 争点(1)(E医師らが適応がないにもかかわらず本件手術を行った注意義 務違反の有無)について (原告らの主張) ア 注意義務の内容 食道癌に対する根治的化学放射線療法により著効となった場合には,食 道癌の根治手術は行うべきでない。 呼吸器感染症にかかっている患者については,手術直前の呼吸器感染症 が完全に治癒したことを確認し,そこから更に1〜2週待ってから手術を 施行すべきである。 イ 注意義務を基礎付ける事実 (ア) 化学放射線療法が著効であったこと 主病変については,1か月後に至らなくとも化学放射線療法終了直後 に既に腫瘍はほぼ消失し,病理検査でも癌を認めていないので,著効(C R)というべきである。実際に,カルテ上,「carcinomaとい える箇所は認められない」とされており,「(CR/RT後)CR s uspected」(化学放射線療法後 著効と考えられる)と診断さ - 4 - れている。 転移リンパ節については,8月7日の胸部CT検査で74.7%の縮 小をみているので,有効(PR)と評価すべきであるし,9月7日の胸 部CT検査では更にリンパ節の縮小がみられていた。すなわち,リンパ 節の縮小は74.7%にとどまっていたわけではなく,更に縮小してい たのであって,その後も経過を追えばもっと縮小する可能性が十分あっ た。主病変への効果の現れ方から考えれば,転移リンパ節の消失(CR) さえも望める状況にあった。 (イ) 手術前のDの状態から本件手術の適応が否定されること Dは,本件手術の6日前である9月27日から熱発があり,同月28 日には38.2℃に上昇しており,そのため,ボルタレンの投与を受け た。その後,一度解熱したが,同月29日には再び体温が上昇し,抗生 剤や消炎酵素剤(ダーゼン)の投与を受け,10月1日にもボルタレン, PL顆粒及びダーゼン等の投与を受けていた。カルテでも,「易感染状 態で,体調も万全でない状況でopeへ望むこととなりそう」と記載さ れている。この発熱は,風邪によるものか,咽頭炎,気管支炎あるいは 肺炎なのか判然としないものの,呼吸器感染症であった。 血液検査結果に関しても,手術前日の10月2日には,WBC(白血 球数)が2800/μℓ(以下,単位は省略する。)と基準値より低値 になっていた。この点については,放射線と抗癌剤が造血機能にも影響 していた可能性は高く,免疫能が低下していたことがうかがわれる。 CRP(C反応性蛋白)値については,正常域が0.3mg/dℓ(以 下,単位は省略する。
主文(判決文より)
1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。