損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成20(ワ)32147
判決日2010-02-25
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法12条1項、著作権法32条1項
当事者原告 株式会社通販新聞社/被告 株式会社秀和システム

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 原告図表は編集著作物であり,被告図表を被告書籍に掲載する行為は,
著作権(複製権)侵害に当たるか(争点1)
(2) 被告図表を被告書籍に掲載した行為は,著作権法32条1項所定の「引
用」に当たるか(争点2)
(3) 原告は,被告書籍に原告図表を掲載することを許諾したか(争点3)。
(4) 原告の損害(争点4)
3 争点に関する当事者の主張
(1) 争点1(原告図表は編集著作物か)について
[原告の主張]
原告図表は,著作権法12条1項所定の編集著作物に該当する。
著作権法12条1項は,素材が単なる事実や事象であったとしても,その
収集,分類,選択,配列が編集者の一定の方針又は目的のもとに行われ,そ
こに独創性を見い出すことができれば,全体を著作物として扱う旨を定めて
いる。原告図表は,以下のとおり,原告が独自に行った調査によって得たデ
ータを,原告において整理,選択し,これを分かりやすく加工して図表にま
とめたものであるから,編集著作物に該当する。
また,被告図表は,前記1(4)のとおり,原告図表1,2,8,11及び
12とほぼ同一であるか,原告図表3ないし7,9及び10の一部を抜粋し
て作成されたものであるから,被告図表を被告書籍に掲載した行為は,原告
図表に係る原告の著作権(複製権)を侵害したものである。
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ア 原告の行った調査
原告は,30年以上の長きにわたって,1年に2回,通販業界の主な会
社を対象として,各社の業績(売上高,経常利益等)や業績の増減要因等
についてアンケート調査(以下「本件調査」という。)を行っている。
本件調査における調査項目の設定には,その時々の問題点を凝縮した,
原告独自の工夫が凝らされている。また,調査項目の中には,調査対象企
業の秘密事項にわたるものもあるので,調査対象企業の協力を得るには,
これらの企業との間に信頼関係を構築し,これらの企業に,原告のために
データを提供しようという意思を喚起させることが必要である。
原告は,通販新聞の創刊以来原告が築き上げてきた信用と実績を基に本
件調査を実施し,調査対象企業の大半から回答を得ている(なお,アンケ
ート用紙が返送されなかった企業に対しては,原告従業員が電話で又は当
該企業を訪問して説得を重ねるなどして,調査に協力を得ている。)。
原告図表は,本件調査によって原告が収集したデータ(本件調査に協力
が得られなかった企業については,原告において根拠ある推測をしたも
の。)に基づくものであるところ,上記のとおり,同データは,原告の独
自の工夫と能力によってのみ収集し得るものである。
したがって,原告図表が編集著作物に当たるか否かを判断するに当たっ
ては,このようなデータ(素材)を収集する過程についても考慮すべきで
ある。
イ 原告図表における創作性
原告図

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。