損害賠償請求

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成19(ワ)31984
判決日2010-03-04
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,次の3点である。
(1) 平成17年1月8日から同月29日までに,脳腫瘍の存在を疑い,C
TやMRIを撮影するなどして,ドレナージなどの適切な治療を行う義務を
怠った過失の有無
(2) 因果関係の有無
(3) 損害額
3 争点に関する当事者の主張は,次のとおりである。
(1) 争点(1)(平成17年1月8日から同月29日までに,脳腫瘍の存
在を疑い,CTやMRIを撮影するなどして,ドレナージなどの適切な治療
を行う義務を怠った過失の有無)について
(原告らの主張)
ア 平成17年2月2日の時点において,原告Aの右側脳室内には,巨大な
腫瘍性病変(6×6×4 cm)が存在したことが認められる。この腫瘍は
緩徐に増大する性質のものであり,数日間のうちに巨大化するものではな
い。
平成17年1月に入った時点で,原告Aには,歩行障害(左片麻痺)な
ど,腫瘍による脳の圧迫に基因する異常が多く発現していた。すなわち,
同月8日には,「最近あまり歩かない」,「左足がふるえる」,同月15日
には,「歩いていて左足に傾く傾向?」,「すわる時も左足をかばう?」,
- 4 -
「左手をにぎって歩くことも」,「時に左足をふるわせる?」,同月27日
には,「左足が歩くとき内反傾向?」,「左足を引きずる?」などとの訴え
があったほか,同月27日,同月29日には,嘔吐の訴えもあった。
イ 以上のとおり,原告Aには,遅くとも平成17年1月に入った時点で,
右側脳室内に巨大な腫瘍が存在した。そのことを強くうかがわせる症状も
頻発していた。E医師は,原告Aに左片麻痺の症状等が発現していたこと
を認識していたが,それに対する解答(原因の究明)が何らなされていな
い。被告病院が,腫瘍の存在に気付いたのは,原告Aが意識を失った平成
17年1月30日であり,この時期に至ってようやく腫瘍に気付いたこと
は,遅きに失する。
甲B第11号証及び証人F医師の証言から明らかなように,原告Aに発
症していた左片麻痺の諸症状は,頭蓋内病変によって惹起されているもの
と強く疑われたのである。しかし,E医師は,脳腫瘍を含む頭蓋内病変の
可能性を全く疑わなかった。そのため,水頭症,ひいては,その原因であ
った腫瘍の存在が見落とされていたのである。そして,手遅れになったの
である。
E医師は原告Aの主治医であったところ,結節性硬化症の患者には,脳
腫瘍が発症することは一般的に知られていることである。一般の小児患者
よりも,より一層,E医師は原告Aに頭蓋内病変が発症していることを疑
うべきであった。
被告病院にとって,腫瘍の存在は容易に予見できたのであり,それに気
付かなかった被告病院の過失は,重大な過失というべきである。
ウ F医師が証言するように,遅くとも平成17年1月27日の時点で,被
告病院は,頭蓋内病

主文(判決文より)

1 被告は,原告Aに対し,4581万1680円及びこれに対する平成17年
1月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告Bに対し,330万円及びこれに対する平成17年1月31日
から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被告は,原告Cに対し,330万円及びこれに対する平成17年1月31日
から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
5 訴訟費用はこれを4分し,その3を原告らの負担とし,その余は被告の負担
とする。
6 この判決は,第1項ないし第3項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。