事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成18(行ウ)183 |
| 判決日 | 2010-03-15 |
| 分類 | 労働 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張 本件喘息死の業務起因性 (原告の主張) (1) 業務起因性判断の枠組み 最高裁判所は,脳・心臓疾患の事例において,①被災労働者が従事した当 該業務が同人の素因又は基礎疾患をその自然経過を超えて増悪させる要因と なりうるものと認められること,②被災労働者の素因又は基礎疾患があり, これが増悪して発症した場合,被災労働者の素因又は基礎疾患が当該業務に 従事する以前に確たる発症因子がなくても自然経過により発症する寸前にま で進行していたとは認められないこと,③被災労働者の従事した当該業務以 外にその素因又は基礎疾患をその自然経過を超えて増悪させる要因となる確 たる発症因子が認められないことという3要件を総合的に検討して業務起因 性の存否を判断することを判示した。 業務による過労・ストレスと喘息の発症,増悪,重積発作との関係につい ても同様に考えられる。なお,喘息死にあっては,基礎疾病たる喘息の発症, 増悪が外見的に明らかな形で進行する。したがって,過労・ストレスと喘息 死との相当因果関係を考慮するにあたっては,発症,増悪,喘息死に至る長 期間の過程における業務と症状の推移を総合的に検討したうえ,業務が喘息 - 3 - 死の原因となる蓋然性が認められるかの判断がされるべきである。 (2) 喘息の発症,増悪並びに喘息死と過労・ストレスとの関係 喘息の発症,増悪,喘息死と過労・ストレスとの関係を肯定する多くの医 学的知見があり,否定する医学的知見はない。喘息の発症のメカニズムとし て,アレルギー,炎症,自律神経,精神・神経因子が統合的に理解されるよ うになってきている。社団法人日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部 会監修の喘息予防・管理ガイドライン(以下「ガイドライン」という。)2 006は,ストレスの増悪因子としての位置づけに重要度を与え,過労を独 立の増悪因子として取り上げ,成人喘息死について,ガイドライン2003 同様,死亡に至る発作の誘因として気道感染,次いで過労・ストレスが3大 誘因であるとする。過労・ストレスが喘息の増悪をもたらすことは呼吸器の 臨床医には確立した知見といえる。 (3) 業務の過重性 ア 長時間労働 P3の労働時間は,少なくとも次のように認定するのが相当である。① 出勤時刻はタイムカードに打刻した時間,②退勤時刻は,引継ぎに少なく とも30分を要したのであり,通常(メール等で退勤時刻を知らせていな いとき),昼勤は午後10時30分,夜勤は午前10時30分,③休憩時 間は30分,④トラブルの処理で,通常の退勤時刻以降2時間の時間外労 働し,退勤時刻が昼勤翌日午前1時,夜勤午後1時となる日が,各月2回 程度あるので,各月の合計労働時間に5時間を増加する。そうすると,本 件喘息死前6か月における1か月当たりの労働時間は次の
主文(判決文より)
1 川口労働基準監督署長が平成17年7月27日付けで原告に対してした労 働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付及び葬祭料を支給しない旨の処分 を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。