事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成20(ワ)31609 |
| 判決日 | 2010-05-19 |
| 分類 | 民事 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条、著作権法114条2項 |
| 当事者 | 被告 株式会社東京美術倶楽部 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 (1) 複製権侵害の成否 (2) 故意過失の有無 (3) 損害の額 (4) 権利の濫用,フェアユース 4 争点に対する当事者の主張 (1) 複製権侵害の成否 (原告) ア 被告は,上記争いのない事実等(2)ア及びイの各行為により,それぞれ 本件絵画1及び2の著作権(複製権)を侵害した。 イ 複製というためには,原著作物に依拠して作成されたものが,原著作物 - 3 - の内容及び形式の特徴的部分を,一般人に覚知させるに足りるものである ことを要する(東京高裁平成14年2月18日判決,判時1786号13 6頁)。 本件鑑定証書1及び2の裏面には,亡Cの作品が127㎜×152㎜の 鮮明なカラー印刷で縮小コピーされており,通常の注意力を持つ者がこれ を見た場合,画面一杯に花を配した大胆な構図,絵具を重ね合わせて表現 された鮮烈な色彩,勢いのある絵筆のタッチ等,亡Cの作品の創造的な表 現部分を十分に感得することができる。よって,本件鑑定証書1及び2は, 原著作物の内容及び形式の特徴的部分を,一般人に覚知させるに足りると いえ,これらの作製は,本件絵画1及び2の複製に当たる。 上記裁判例の事案は,書が,紙面の大きさが6㎜ないし20㎜,文字の 大きさが3㎜ないし8㎜という小ささで撮影された写真に関するものであ り,書かれた文字を識別することはできるものの,墨の濃淡,かすれ具合, 筆の勢い等の当該書の美的要素の基礎となる部分を感得することは到底で きないものであり,本件事案とは大きく異なる。そもそも,上記裁判例は, いわゆる「写し込み」の事案であるが,本件鑑定証書1及び2は,本件絵 画1及び2そのものを利用したものであり,このような差異が生じて当然 である。すなわち,被告の本件鑑定証書1及び2の裏面の本件絵画1及び 2の縮小カラーコピーは,まさに複製物であり,記号のような存在である とは到底いえない。 (被告) ア 原告の主張は争う。 イ 本件鑑定証書1及び2に係る本件絵画1及び2の縮小カラーコピーは, 被告が鑑定した絵画の特定のためのみに用いるものである。本件絵画1及 び2の縮小カラーコピーは,著作権法が本来その保護の対象とする芸術性 や美の創作性や感動を複製したものではなく,流通の安全性を図り不正品 - 4 - を防ぐための単なる記号の意味合いにすぎず,その性格上,本来の保護の 対象となる複製権の趣旨にはなじまないものである(東京地裁平成11年 10月27日判決,判時1701号157頁)。 (2) 故意過失の有無 (原告) 亡Cが,婚姻し,3人の子をもうけたことは,美術業界において比較的よ く知られた事実である。また,亡Cの子である亡Aも,画家としての名声を 得ている。したがって,被告は,本件絵画1及び2の著作権が亡Cの親族に 相続されていることを知っていたか,当
主文(判決文より)
1 被告は,原告に対し,6万円及びこれに対する平成20年11月15日 から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は,これを2分し,それぞれを各自の負担とする。 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。
出典
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