執行停止申立事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成22(行ク)144
判決日2010-06-01
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文行政事件訴訟法25条2項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 重大な損害を避けるための緊急の必要の有無(行政事件訴訟法25条2
項)
(2) 本案について理由がないとみえることの有無(同条4項)
(3) 公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれの有無(同条4項)
4 争点に関する当事者の主張の要旨
(1) 争点(1)(重大な損害を避けるための緊急の必要の有無)について
ア 申立人
(ア) 本人にとっての重大な損害
原告は,現在機能訓練士(機能訓練指導員)として稼働しているとこ
ろ,機能訓練指導員の資格は柔道整復師の資格に基づくものであって,
この資格を失えば申立人がこの業務に携わることはできなくなるから,
本件処分の効力が発生した時点で,原告は,現在の施設における機能訓
練士としての仕事を失うことになる。
申立人は昭和59年に柔道整復師の免許を受けて以降,約2年間の派
遣社員期間を除き,柔道整復師一筋でその仕事に従事してきた。仮釈放
後も,すぐに柔道整復師として兄の接骨院を手伝い,刑期終了後は,必
死の就職活動を経て(ただでさえ経済状況の厳しい中で服役を経た出所
者が定職を得ることは極めて難しいことである。),ようやく見付けた
現在の仕事をまじめに行っている。施設においては,リハビリ部門のチ
ーフとして職場や利用者たちからその仕事振りを評価されている。現在
職を失えば,申立人の再起をくじく結果となる。
また,申立人は,現在破産手続中であるが,その過程においても継続
的な就労とそれに基づく収入の確保を裁判所及び破産管財人から求めら
れている。本件処分の効力が発生すると,申立人は直ちに収入の道を失
うことになる。本件事情からすれば自己都合退職又は解雇となるから,
失業保険の受給までには数か月を要し,すぐに働ける仕事を見つけるこ
とは現在の経済状況下でははなはだ困難である。そうすると,申立人は,
生活費さえねん出できなくなり,破産手続等によって始まった経済的更
生も著しく困難となる。
機能訓練士として雇用された者が,その資格を失ってもその雇用が継
続される現実的な見込みがあるといった相手方の主張は,到底,現在の
社会情勢や福祉雇用の現場の現実を理解しないものである。また,相手
方は職を失っても兄からの援助が期待できるというが,申立人が兄から
援助を受けていたのは,更生保護委員会から住居地に指定された仮釈放
期間中の2か月間に限られ,兄にそれ以上の余裕があるわけではない。
なお,申立人は高齢で障害を有する母親との二人暮らしであり,母親
は生活保護を受給しながらぎりぎりの生活を送っており,その生活の世
話や支援は申立人のみが行っている。申立人の失職により,そうした母
親の生活も困難となる。
(イ) 勤務先施設にとっての重大な損害
申立人の勤務先施設である老人ホームは特定施設入居者生活介護事業
を行っているが,その事業を

主文(判決文より)

1 処分行政庁が申立人に対し平成22年5月20日付けでした柔道整
復師免許取消処分の効力を,本案訴訟の第1審判決の言渡しまでの間
停止する。
2 申立人のその余の申立てを却下する。
3 申立費用は相手方の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。