事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成21(行ウ)590 |
| 判決日 | 2010-07-16 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点及び争点に対する当事者の主張 原告に対して補正を命ずることなく行われた本件却下処分が違法か否か。 (原告の主張) (1) 特許庁長官は,本件国内書面について,法184条の5第2項1号の規定 により,原告に補正の機会を与えなければならなかった。 しかしながら,特許庁長官は,法184条の5第2項,法184条の4第 3項の解釈・適用を誤り,原告に補正を命じなかったものであるから,その 結果なされた本件却下処分(及びそれを追認した本件決定)は違法であり, 取消しを免れない。 (2) 法184条の5第2項及び法184条の4第3項の解釈 ア 両規定の対立・矛盾 (ア) 法184条の5第2項は,補正を命ずるか否かを特許庁長官の自由 な裁量に委ねたものではなく,第三者の利益を害する等の特段の事情が ない限り,補正を命ずべき義務を特許庁長官に課したものである。 これに対して,本件却下処分は,本件国際特許出願が法184条の4 第3項の規定により取り下げられたものとみなされるから,補正を命ず る余地はないとする。 しかしながら,法184条の5第2項は,特許庁長官に補正を命ずる 義務を課したものであるから,明細書及び請求の範囲の翻訳文(以下 「明細書等の翻訳文」という。)未提出の外国語特許出願については, 同項と法184条の4第3項とが対立・矛盾する関係にあり,そのいず れが優先するかは,特許協力条約の要請や,国内書面及び明細書等の翻 訳文の意義を検討することによって判断すべきである。 (イ) なお,被告は,両規定に対立・矛盾はないとするが,これは,特許 庁の事務処理上の便宜を優先させるとの価値判断に基づき,法184条 の4第3項の「取り下げられたものとみなす」との文言を優先させ,法 の趣旨や特許協力条約の要請等を顧みないものである。そして,このよ うな被告の思考は,発明の保護及び出願人の保護に実害を及ぼし,かつ, 特許庁や第三者のためには何ら寄与しない本件の状況下では,不合理か つ不適切である。 イ 特許協力条約の要請について (ア) 法184条の4第3項は,特許協力条約22条,24条(1)(ⅲ) 等に由来するものであるが,同条約は,締約国に対し,明細書等の翻訳 文の不提出による国際出願の取下擬制等を強く求めているのではなく, むしろ,同条約22条(3),24条(2),条約規則49.6に象徴 されるように,翻訳文の提出期間を緩和して,国際出願をなるべく維持 することを要請している。 したがって,法184条の4第3項は,優先日から2年6月以内に明 細書等の翻訳文の提出がなかった外国語特許出願について取下げを擬制 することを至上命令とするものではなく,これと対立・矛盾する他の規 定よりも,その適用において劣後することもあり得る。 (イ) 被告の主張について a 被告は,翻訳文不提
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は,原告の負担とする。
出典
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