事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成21(行ウ)603 |
| 判決日 | 2010-08-27 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 商法285条、法人税法62条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点(1)(国税徴収法38条の規定する第二次納税義務の限度)について ア 被告 国税徴収法38条は,事業譲渡の譲渡人と譲受人との間の親近性が強く, かつ,外形的に事業の同一性を有し,さらに,その譲渡が納税者の事業に 係る国税の法定納期限の1年前より後にされた場合(このような場合は, 形式的には譲受人に財産が帰属しているとしても,実質的には譲渡人にそ の財産が帰属していると認めても公平を失しないといえる。),譲渡人の 租税につき譲受人に対し第二次納税義務を負担させることにして,徴税の 適正を期したものである。そして,同条は,第二次納税義務者に係る滞納 処分の対象となる財産が責任限度である譲受財産に限られ,他の財産につ いて滞納処分をすることができない,いわゆる物的第二次納税義務を定め たものであることから,その財産が滅失したときは第二次納税義務を追及 することができないとされており,同条の譲受財産とは譲受けに係る事業 に属する滞納処分の対象となる積極財産をいうものと解すべきであり,積 極財産から債務額を控除することは許されない。 イ 原告 (ア) 国税徴収法38条の規定は,事業譲渡に係る特例であり,事業譲渡 という形での組織再編に際し租税負担回避行為があった場合に,事業を 譲り渡した事業者(以下「譲渡事業者」ともいう。)が本来負担すべき 租税について,事業を譲り受けた事業者(以下「譲受事業者」ともい う。)が利得を得た限度において,譲受事業者の責任を拡張させたもので ある。 事業譲渡は,営業活動の全部又は一部を受け継ぐという目的を有する ものであるが,取引先等との関係を考慮すると,譲渡事業者が取引先に 対して負担していた負債等について譲受事業者が引き継がないとして同 様の営業を継続することは常識的にも不可能というべきであり,譲渡事 業者が取引先に対して負担していた負債等が引き継がれなければ実際の 事業譲渡は成功しない。したがって,事業譲渡においては,財産のみな らず負債をも負担する必要があり,実際にもそのようなことがされる例 が認められる。このような場合,譲り受けた負債は譲受財産の価値を減 少させるものであり,負債を控除した価値こそが譲受事業者が事業譲渡 によって得た利得であると解すべきである。 そして,上記のとおり,国税徴収法38条の趣旨は租税負担回避行為 を防止するというものであるから,その責任の限度は事業譲渡によって 第二次納税義務者が得た利得に限定されるべきものである。 (イ) 国税徴収法には譲受財産についての定義はなく,譲受財産が何を指 すかについては,法律の規定や事業譲渡の仕組み等を総合的に考慮して 解釈しなければならない。また,国税徴収法38条の規定は昭和33年 以前から存在していたが,当時は事業譲渡の概念が必ずしも明らかとな っていなかったこと
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。