特許庁による手続却下の処分に対する処分取消請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成22(行ウ)183
判決日2010-09-09
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文憲法29条、憲法29条1項、民法95条、特許法43条2項
当事者原告 ショットコーポレーション

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
本件処分は適法か否か
3 争点に関する当事者の主張
[原告の主張]
(1) 主位的主張
パリ条約上の優先権の制度は,同じ発明に係る特許権は世界のどこで出願
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しても最初に出願した者が獲得することを原則とする合意の上に,各国の主
権及び特許独立の原則を認めつつ,最初に出願した国以外の国に出願する際
の出願人の負担を軽減させる制度である。
したがって,法43条1項に規定するパリ条約による優先権の主張の手続
を行った者は,その時点で,「優先権の恩恵を受ける権利」を獲得するもの
であり,この権利は,憲法29条に規定された財産権の一種である私有財産
であり,外国人にも認められるべきものである。
一方,法43条2項は,パリ条約による優先権の主張をした出願人に対し,
最先の優先権の主張日から1年4か月以内に優先権証明書を提出すべきこと
を義務付けている。しかしながら,同規定は,出願人の優先権主張が真正か
つパリ条約に基づく正当な権利の行使であるか否かを確認するための規定で
あり,優先権主張が正当にされたことを形式的に確認するための,単なる手
続規定にすぎない。また,法17条は,「手続をした者は,事件が特許庁に
係属している場合に限り,その補正をすることができる。」と規定しており,
法43条2項に規定する手続を履行しなかった場合に,補正によってその瑕
疵を治癒することができないとは記載されていない。
そうすると,法43条2項の規定に違反したという手続的瑕疵については,
特に不都合が発生しない限り広く補正を認め,私有財産たる「優先権の恩恵
を受ける権利」を保護するのが相当である。実際,本件に関しては既に審査
段階に入ったという状態ではなく,補正を認めても,審査の手間が余分にか
かることはない。また,優先権制度の趣旨は上記のとおりであり,第三者は,
本来,優先権を有していた出願人に勝つことはできないものであるから,上
記補正を認めても,第三者に不測の不利益を与えるものではない。米国,欧
州(EPC)及び韓国等の特許出願主要国でも,出願人の利益を優先し,優
先権の回復が認められている。
よって,必要以上に法43条2項の規定を厳格に解して補正を認めず,私
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有財産を公権力で剥奪するかのような本件処分は,憲法29条1項に違反し,
違法である。
(2) 予備的主張
特許庁は,原告が法43条2項に規定された期間内に特許庁長官に優先権
証明書提出書を提出しなかったという行為について,単なる手続の瑕疵であ
るとは解さず,原告による優先権の主張を取り下げる旨の意思表示であると
みなしているものと解される。
しかしながら,原告が法43条2項に規定された期間内に優先権証明書提
出書を提出しなかったのは,原告の特許管理人が,本件出願当時,「優先権
書類データの交換に基づく優

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
3 本件につき原告のために控訴の付加期間を30日と定める。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。