事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成21(ワ)4331 |
| 判決日 | 2010-10-21 |
| 分類 | 民事 / その他 |
| 判決種別 | 判決 |
| 当事者 | 被告 株式会社オークラ出版東京都町田市 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 (1) 本件雑誌を出版,販売する行為は,原告のパブリシティ権を侵害するか (争点1)。 (2) 被告らは,本件雑誌に原告写真を掲載するに当たり,原告の許諾を得た か(争点2)。 (3) 原告の損害(争点3) 3 争点に関する主張 (1) 争点1(パブリシティ権侵害の有無)について [原告の主張] ア パブリシティ権の意義 一般に,固有の名声,社会的評価,知名度等を獲得した著名人の氏名, 肖像を商品に付した場合に当該商品の販売促進に有益な効果(顧客吸引力) があることは,よく知られている。著名人は,かかる顧客吸引力を経済的 利益ないし価値として把握し,これを独占的に享受することのできる法律 上の地位,すなわちパブリシティ権を有している。 著名な芸能人の有するパブリシティ権に対し,他の者が,当該芸能人に - 4 - 無断でその顧客吸引力を表す肖像等を商業的な方法で利用する場合には, 当該芸能人に対する不法行為を構成すると解するのが相当である。 イ 本件雑誌の出版,販売による原告のパブリシティ権の侵害 (ア) 本件雑誌は,被告らが原告の顧客吸引力を商業的に利用して利益を 得ようとして発行したものであり,本件雑誌全体が原告のパブリシティ 権を侵害するものである。 すなわち,被告らは,別紙構成表及び別紙掲載態様表記載のとおり, 本件雑誌が原告のみの特集であることを強調すべく,本件雑誌のタイト ル等に原告の氏名を目立つ形で使用した上,本件雑誌の表紙を含む計4 1ページに,原告の肖像が独立して鑑賞の対象となるような写真を計7 4枚,カラーグラビアで掲載している。また,その他のページも,35 ページ及び36ページを除き,原告関連番組及び原告関連商品等の広告 部分で構成されており,本件雑誌のほぼすべてのページは,原告の写真 で埋め尽くされている。 一方,本件雑誌は,全体的に記事部分が少なく,特に,本件写真が無 断掲載されたページに占める記事部分が全くないといえるページの割合 は,41ページ中17ページにのぼる。また,記事部分のあるページに ついても,その内容は,安易な紹介記事がほとんどであり,被告らによ る独自の綿密な取材活動に基づく記事はない。 さらに,符号21の写真には,原告の顔の左横側に吹き出しの形で「最 近,記憶力がだんだん乏しくなってきたもので・・・(笑)」という記載 がされ,符号2,23ないし28,31ないし36,39ないし42及 び67ないし74の写真は,原告が不自然な形で切り抜かれている。こ れらは,いずれも,読者にコミカルな印象を与え,原告の俳優としての イメージすなわち顧客吸引力を毀損するものである。 このように,本件雑誌は,芸能報道記事を掲載した雑誌ではなく,原 - 5 -
主文(判決文より)
1 被告らは,原告に対し,連帯して,440万円及びこれに対する平成 20年6月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は,これを6分し,その1を被告らの負担とし,その余を原 告の負担とする。 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 5 本件につき原告のために控訴の付加期間を30日と定める。 - 1 -
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。