事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(う)1481 |
| 判決日 | 2024-10-22 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点等 本件各公訴事実の要旨は、被告人が、①平成31年3月20日、東京家庭・簡 易裁判所1階東側玄関において、夫婦関係調整(離婚)調停中の妻である被害者(当 時31歳)に対し、殺意をもって、同人の背後から、持っていた折りたたみ式ナイ フでその右頸部を切り付け、失血死させて殺害し、②業務その他正当な理由による 場合でないのに、同日、a公園において、折りたたみ式ナイフ4本を携帯したとい うものである。 原審において、被告人が、公訴事実の各行為をしたことに争いはなく、責任能 力の有無が争点とされ、原審検察官は、犯行当時被告人は、少なくとも統合失調症 の重度の症状はなく、何らかの精神疾患があったとしても、正常な精神作用を失っ ていない、又は、正常な精神作用をある程度失っていたとしても、その程度は著し くなかったとして完全責任能力を、原審弁護人は、統合失調症の圧倒的影響による 心神喪失を、それぞれ主張し、原判決は、本件各公訴事実について、統合失調症の 症状である妄想、幻聴の圧倒的影響により行われたものであり、被告人は心神喪失 の状態にあったと判断して、無罪を言い渡した。 本件では、起訴前にA医師による精神鑑定が行われ(以下「第1鑑定」とい う。)、A医師は犯行時及び犯行前において精神疾患の有意な影響は認められない と鑑定したが、起訴後の公判前整理手続中に、裁判員法50条による精神鑑定が実 施され(以下「第2鑑定」という。)、改めて鑑定を受託したA医師は、被告人は、 統合失調症にり患しており、その強い影響を受け、本件行為に至ったと鑑定してお - 1 - り、この第2鑑定の信用性が責任能力判断の中心的な争点とされている。 第2 本件控訴趣意等 検察官の控訴趣意は、訴訟手続の法令違反及び事実誤認の主張であり、訴訟手続 の法令違反の主張は、原審検察官による精神科医2名の証人尋問請求を却下した原 審裁判所の訴訟手続には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反があるとい うものであり、事実誤認の主張は、本件行為当時の被告人には完全責任能力があっ たのに、被告人に心神喪失を認めて無罪を言い渡した原判決には、判決に影響を及 ぼすことが明らかな事実誤認があるというものである。 これに対する弁護人の答弁は、検察官の控訴趣意はいずれも理由がなく、本件控 訴は棄却されるべきであるというものである。 訴訟手続の法令違反の控訴趣意と事実誤認の控訴趣意は関連しており、控訴趣意 の構成に従い、事実誤認の控訴趣意から先に検討する。
主文(判決文より)
本件控訴を棄却する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。