事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成22(行ウ)304 |
| 判決日 | 2011-01-28 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項、特許法29条、行政事件訴訟法36条 |
この事件の代理人
- 豊島英征(被告代理人)/第一東京弁護士会
争点(判決文より)
争点 (1) 国家賠償法1条1項の違法の有無(争点1) (2) 損害の有無及び額(争点2) (3) 無効等確認の訴えの適法性(争点3) (4) 義務付けの訴えの適法性(争点4) 4 争点に関する当事者の主張 (1) 争点1(国家賠償法1条1項の違法の有無)について ア 原告の主張 ①特許庁審査官が,本件国際予備審査請求の請求の範囲21及び22に ついて,特許法29条に則さない当業者には絶対になし得ない論理付けに よって特許性(進歩性)がない旨の無効な審査をして本件見解書を作成し, 平成18年10月10日,特許庁がこれを原告に送付した行為,及び②特 許庁審査官が,本件国際予備審査請求の請求の範囲9ないし13について, 特許法29条に則さない当業者には絶対になし得ない論理付けによって特 許性(進歩性)がない旨の無効な審査をして本件報告書を作成し,平成1 9年7月3日,特許庁がこれを原告及び国際事務局に送付した行為は,特 許庁審査官及び特許庁長官の法的職務義務に違反するものであり,国家賠 償法1条1項の違法な行為である。 国内特許出願においては,本件国際予備審査請求の請求の範囲9ないし 13,21及び22と全く同じ構成の発明につき,特許性ありとして登録 査定がされていることからしても,本件見解書及び本件報告書における審 査結果が無効であることは明らかである。 イ 被告の主張 (ア) 国際予備審査は,PCT33条(1)に規定されるように,新規性,進歩 性,産業上の利用可能性についての予備的なかつ拘束力のない見解を示 すことを目的とするものであるから,国際予備審査機関の見解書及び国 際予備審査報告に不服がある場合であっても,PCTの規定上,これら に対する不服申立ての申請をすることは許されておらず,不服のある者 は,当該国際出願の国内移行の手続を行い選択国の国内出願とした上で, 選択国の特許法の規定に従って行われる国内出願の審査の中で自己の主 張をなすべきことが本来的に予定されている。このことは,国際予備審 査機関の判断に法令違反等の瑕疵がある場合であっても同様であり,そ の瑕疵は,選択国の法律による不服申立制度によって是正されることが 本来的に予定されているのである。 そして,国際予備審査機関による特許性の有無についての見解は,事 柄の性質上,専門的知識と経験に基づく高度に技術的な判断であるから, 国際予備審査を行う国際予備審査機関の各審査官の判断に一定の範囲で 裁量が認められているということができ,このことを併せ考えれば,国 際予備審査を担当した審査官が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くす ことなく漫然と審査をして国際予備審査機関の見解書や国際予備審査報 告書を作成したと認め得るような事情があり国家賠償法上違法と評価さ れる場合としては,当該国際予備審査に法令違反
主文(判決文より)
1 原告の無効等確認の訴え及び義務付けの訴えをいずれも却下する。 2 原告の損害賠償金の支払請求を棄却する。 3 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。