退職金請求事件(通称 アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー競業避止義務)

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成22(ワ)732
判決日2012-01-13
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文会社法2条2号

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点は,本件不支給条項を本件に適用することが公序良俗に違反するか否
かであり,各当事者の主張は,以下のとおりである。
(原告の主張)
(1) 本件退職金は,原告の業績賞与同額を積み立てたものであり,賃金・賞
与の後払いと評価される。かかる退職金の不支給の条件として,競業避止
義務を定めるに当たっては,制限の期間,範囲(地域,職種)を最小限に
とどめることや一定の代償措置が必要である。
(2) 被告日本支店は,予算管理,人事管理,資本政策,商品政策を通して,
被告本店に管理される営業拠点に過ぎない。被告日本支店は,その利益の
大部分を,被告本店に送金している。被告日本支店の役員会において,経
営意思決定に関連する議論が行われること,執行役員が自己の担当部門に
関する事項以外について発言することは,いずれも稀であった。したがっ
て,執行役員は,重要な業務執行の意思決定等に直接携わっていない。
原告の金融法人本部の本部長としての業務の中心は,営業と人事管理で
あり,原告は,金融法人本部の責任者である副会長に報告し,その決済を
受けて業務遂行していた。
(3) 本件競業避止条項は,退職後2年間という長期間,地域を問わず,競合
他社への就職を禁止している。
しかし,金融ビジネスの急激な変化に照らすと,2年間にわたる競業禁
止は長すぎるし,地域も限定されるべきである。
(4) 本件競業避止条項は英文であるが,その内容は「①被告に競合したり,
②A各社のバンクアシュアランス事業に競合したり,③原告が在任中に被
告やアリコ各社で携わったその他の事業に競合する会社の従業員,役員,
顧問,コンサルタントやエージェントとして勤務しない」と訳されるべき
であり,①により,日本の生命保険会社のすべての勤務が禁止されるし,
日本の金融機関の多くがバンクアシュアランス事業を行っているから,②
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により,大多数の日本の金融機関への勤務も禁止される。
原告は,これまでのほとんどのキャリアを金融機関勤務で過ごしており,
再就職先は金融機関以外になく,上記禁止は不当に広範である。
(5) 原告の給与は,他の従業員や自身の執行役員就任前と比較して,何ら厚
遇されておらず,被告は何らの代償措置も講じていない。
(6) バンクアシュアランス業務において,保険会社の営業担当者が直接顧客
と交渉することはなく,顧客が担当者変更を理由に保険会社を変更するこ
とはない。現実に,原告の転職を理由に顧客が被告からDに移った例もな
い。
Dは,バンクアシュアランス業務において,円建定額即時預金を扱い,
被告が中核とする外貨建定額年金,円建変額年金,一時払終身保険,一時
払医療保険を扱っていない。したがって,両者のバンクアシュアランス業
務は,競合しない。
さらに,原告のDにおける業務は,社長を補佐して会社

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,3037万0170円及びこれに対する平成22
年2月4日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は被告の負担とする。
4 この判決は第1項に限り仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。