事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成23(行ウ)514 |
| 判決日 | 2012-02-16 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 特許法9条、特許法184条、行政事件訴訟法20条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,本件両処分の違法性である。 (原告の主張) (1) 本件出願の優先日は,原告が本件優先権の主張を取り下げる旨の書面を提 出したことにより,本件優先権の主張が取り下げられ,本件優先権の主張の 基礎となる出願の日である平成19年1月23日から本件出願の日である平 成20年1月22日に繰り下げられた(特許法184条の4第1項,197 0年6月19日にワシントンで作成された特許協力条約2条(xi)(a)・ (c))。このため,原告は,本件出願につき,翻訳文提出特例期間の経過前 - 3 - に明細書等の翻訳文も提出したことになり,本件出願を取り下げたものとは みなされないことになる。 (2) パリ条約や特許法には,優先権の主張の取下げを認める規定はないもの の,これを禁じる規定もない。特許法には,出願審査の請求のように(同法 48条の3第3項),取下げを禁じる場合,明文の規定がある。優先権の主 張を取り下げても,特許出願がなくなるわけではなく,特許要件の判断基準 時が繰り下がるだけであるから,優先権の主張の取下げは認められるべきで ある。 (3) 以上によれば,本件両処分は違法であるから,原告は,被告に対し,本件 両処分の各取消しを求める。 (被告の主張) (1) 本件出願は,原告が翻訳文提出特例期間内に翻訳文を提出しなかったこと により,取り下げられたものとみなされ(特許法184条の4第3項),出 願の効果が消滅しているから,その後に優先権の主張を取り下げる旨の書面 が提出されても,何らの効果も生じない。 (2) その点をおくとしても,パリ条約の優先権が主張されると,以後は第2国 出願手続に吸収され,その一部となるから,優先権の主張の取下げを認める には,吸収されて一部となったものを分離する規定や取下げ後の先後願関係, 新規性等の判断基準日を定める規定が必要であるが,そのような規定はない。 また,優先権の主張の取下げは,優先権の主張の効力を失う不利益行為に当 たるから,代理人への特別受権事項とされるべきであるが,そのよう規定も ない(特許法9条参照)。優先権の主張と出願審査の請求は,法的性格が異 - 4 - なるから,同様に理解することはできない。したがって,優先権の主張の取 下げは,認められるべきでない。 (3) 以上によれば,本件両処分は適法であるから,本件両処分は取り消される べきでない。
主文(判決文より)
1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 3 原告のために,この判決に対する控訴のための付加期間を3 0日と定める。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。