損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成21(ワ)38953
判決日2012-02-21
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
当事者原告 株式会社AZE

この事件の代理人

争点(判決文より)

本件の争点は,①本件情報は営業秘密に該当するか,②被告は本件情報を開
示・漏えいしたか,③被告の責任及び損害等である。
(1) 争点①(本件情報は営業秘密に該当するか)について
(原告の主張)
ア 原告製品において画像上,陰となるべき部分が明るく描出される現象は,
光源を初期設定の正面ではなくて真上や真横に置くなど,通常の医療業務
では用いない特殊な設定をした場合にのみ現れ,顧客からの指摘もなかっ
た。上記現象は,Bが昭和63年や平成4年に公表した各論文やその他の
文献にも記載されていないから,非公知であった。仮に上記現象が公知で
あったとしても,本件誓約書上の営業秘密は公知事実を除外しておらず,
原告は,本件情報を秘密として扱っていた。
このため,本件情報は,取締役が忠実義務の一内容として保持すべき「秘
密」や本件誓約書上の「秘密」に当たる。
イ 被告は,原告のソフトウェア開発部門の責任者を務める中で,本件情報
を有するに至ったから,本件情報は,本件誓約書上の「在籍中に従事した
業務において知り得た…技術上…の情報」に当たる。
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ウ 原告は,被告に対し,本件誓約書により,原告の営業秘密についての秘
密保持義務を課していたから,本件情報は,本件誓約書上,原告が「管理
している」情報に当たる。
エ 原告の取締役が忠実義務の一内容として保持すべき営業秘密や本件誓約
書上の営業秘密は,有用性を要件とするものではないが,本件情報は,ネ
ガティブインフォメーションであり,有用性もある。
オ したがって,本件情報は,原告の取締役が忠実義務の一内容として保持
すべき営業秘密や本件誓約書上の営業秘密に該当する。
(被告の主張)
ア 原告製品が採用している多数の2次元画像の群からなる3次元画像デー
タから擬似3次元画像を生成するボリュームレンダリング法は,立体感を
表現するため,b(Pv)=h(N(Pv)・L)×c(Pv)という公知の数式
を用いて陰影付けを行うことがあり,N(Pv)・Lという内積値の算出に
負の余弦値(cosθ)も用いることから,画像上,陰となるべき部分が明
るく描出される現象が生じることは,公知であった。上記現象は,Bが昭
和63年に上記数式と同旨の数式を公表した論文若しくは平成4年に上
記現象への対処法を公表した論文,又はその他の文献によっても,公知で
あり,被告も大学院在学当時から知っていた。
原告製品において画像上,陰となるべき部分が明るく描出される現象
は,光源を初期設定の正面以外の場所に置いたときに現れる上,取扱説明
書にも光源を動かす方法が記載されていたから,通常の医療業務では用い
ない特殊な設定をした場合にのみ現れるものでもない。なお,「秘密」と
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主文(判決文より)

原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。