損害賠償等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成23(ワ)9722
判決日2012-09-28
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法2条3項、著作権法32条1項、著作権法41条、著作権法112条1項
当事者原告 宗教法人幸福の科学

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 本件各霊言の著作物性の有無(争点1)
(2) 本件各霊言の著作権が原告に帰属するか(争点2)
(3) 本件複製頒布行為が著作権法32条1項の引用に当たるか(争点3)
(4) 本件複製頒布行為が著作権法41条の時事の事件の報道のための利用に
当たるか(争点4)
(5) 原告の著作権の行使が権利濫用に当たるか(争点5)
(6) 原告の損害及び損害額(争点6)
3 争点に関する当事者の主張
(1) 本件各霊言の著作物性の有無(争点1)
(原告の主張)
ア 本件各霊言は,「霊言」と呼ばれる宗教行為の動画映像であり,映画の
著作物である。
イ 本件各霊言は,ビデオカメラで収録された動画映像であり,その表現は,
第1に「映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方
法」で行われ(表現方法の要件),第2にDVD-RWディスク等のデジ
タル録画媒体という「物に固定」され(存在形式の要件),第3に「思想
又は感情を創作的に表現した」ものであって,「文芸,学術,美術又は音
楽の範囲に属するもの」である(内容の要件)。
特に,第3に関しては,本件各霊言は,その収録に際し,そのタイトル
とテーマ,複数の出演者(対話者である人間だけでなく招霊される霊を含
む)及び全体の構成が決定された上で「霊言」が行われたものであって,
単に自然現象をあるがままに記録したものではないから,「思想又は感情
を創作的に表現した」といい得る。
ウ 「霊言」の映像は,複数のテレビカメラによって様々な角度から撮影が
行われ,収録中に同時進行で適宜カメラが切り換えられ1本の映像番組に
まとめる編集作業が行われており,原則として,それ以上に撮影部分を加
除訂正するような収録後の編集作業は行われることなく完成版として上映
されるのが通例である。これは映画の著作物か否かが問題になる未編集の
撮影済みフィルムと異なり,完成された映画に該当するものである。
(被告の主張)
ア 原告の主張に対する認否
原告の主張アは争う。同イのうち,本件各霊言が表現方法及び存在形式
の要件を充足することは認め,その余は否認する。同ウは不知ないし争う。
イ 創作性がないこと
本件各霊言は,「思想又は感情を『創作的に』表現した」ものではなく,
「文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するもの」でもないから,映画の
著作物たり得ない。
本件各霊言の内容は,それ自体およそ正当な表現行為としての価値を認
め難い原告代表役員の,「霊言」の名の下に行われた被告に対する名誉毀
損的言説を,記録のため,あるいは信者に対する放送のための技術的手段
として,単純に連続的・通時的に録画したものでしかない。言語的表現の
単純な記録にすぎない動画映像が,映画の著作物とされるためには,創作
的表現としての編集行為が認められなければならないが,本件

主文(判決文より)

1 被告は,別紙著作物目録記載の各動画映像を収録したDVD,その活字起こ
し文書及びワープロソフトデータファイルをいずれも複製又は頒布してはなら
ない。
2 被告は,原告に対し,金60万円及びこれに対する平成23年4月30日か
ら支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 原告のその余の請求を棄却する。
4 訴訟費用は,これを5分し,その4を原告の負担とし,その余は被告の負担
とする。
5 この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。

出典

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