事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成24(行ウ)678 |
| 判決日 | 2013-09-24 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は本件処分の違法性の有無であり,これに関する当事者の主張の 要旨は次のとおりである。 (1) 原告 時効特例法1条は,時効特例給付に該当する場合とは「厚生年金保険法2 8条の規定により記録した事項の訂正がされた上で当該保険給付を受ける権 利に係る裁定(裁定の訂正を含む。)が行われた場合」と規定しているだけ であり,その文言上,年金記録の訂正により受給権が発生した場合や受給額 が増加したような場合にのみ適用があるとはされておらず,本件も9か月の 厚生年金保険の被保険者期間が判明したことにより記録した事項が訂正され, それに基づいて老齢年金の受給権取得年月を変更する裁定があったのである から,保険給付を受ける権利に係る裁定が行われたものとして,時効特例給 付に該当するというべきである。 そもそも時効特例法は,年金記録の不備が社会的な問題となり,その発生 の原因・背景として,年金記録管理のシステム・事務処理や,年金記録に係 る事務を担当する社会保険庁そのものの組織上の問題点が指摘され,これら が国民の年金制度に対する不信・不安を高め,大きな社会問題となったこと からそれに対する対応として制定されたものである。 Aについても9か月の厚生年金保険の被保険者期間が記録から漏れており, これに対するしかるべき措置を講じなければ年金記録に関する不信感を回復 することができないのであるから,時効特例法の適用が認められるべきであ - 4 - る。 したがって,本件処分は法令の解釈を誤ったものであり,違法なものとし て取り消されるべきものである。 (2) 被告 Aの厚生年金保険の被保険者期間は,9か月に係る記録の訂正前の平成元 年1月に240か月に達したため,Aは老齢年金の受給資格を満たして受給 権を取得していたのであり,年金記録の訂正により受給権の取得時期が昭和 63年4月に遡ったにすぎない。そして,Aは,生前,老齢年金の裁定請求 をせず,原告も平成22年7月27日まで老齢年金の裁定請求をしていない。 したがって,本件不支給部分は,Aの死亡から5年が経過したことにより, 原告による裁定請求の時点において既に時効消滅している。 このように,本件においては,年金記録の訂正の有無にかかわらず,既に 取得していた受給権に基づく本件不支給部分は裁定請求の遅れによって時効 消滅していたのであって,年金記録の訂正によって,Aが老齢年金の受給権 を取得していることが判明し,初めて保険給付の支給を受ける権利が裁定さ れるに至ったものではない。そうすると,本件不支給部分は時効特例給付に 該当しないというべきである。 したがって,本件処分に違法な点はない。
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。