著作権侵害差止等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成24(ワ)10382
判決日2013-10-21
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法112条、著作権法112条1項
当事者原告 有限会社ら・むりーず/被告 株式会社プリンスコレクション

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 原告作品の著作物性(争点1)
(2) 原告作品に係る著作権及び著作者人格権の帰属(争点2)
(3) 被告商品が原告作品を複製・翻案したものであるか(争点3)
(4) 著作権法112条に基づく差止・廃棄請求の成否(争点4)
(5) 著作権・著作者人格権侵害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求
の成否及び損害額(争点5)
(6) 原告の営業上の利益を故意に侵害することを理由とする不法行為に基づ
く損害賠償請求の成否及び損害額(争点6)
3 争点に関する当事者の主張
(1) 原告作品の著作物性(争点1)
(原告の主張)
ア 原告作品1
(ア) 原告作品1(1)
a 表現の構成
「下辺の真ん中に,黒ネコの上半身が描かれている。この黒ネコの顔
の表現は,
ア 円形の丸い目の中心に円形の黒目が置かれ,黒目の周りを白色
の白目がドーナツ状に囲んでおり,黒目の直径は目全体の直径の
半分程度とされている。
イ 鼻は,上辺が水平で下に向かって幅が狭まっていく形で,目よ
りも大きくならないように,こぢんまりと描かれている。
ウ 口は,鼻の下端から長めの線が下方向に向かって引かれ,その
線が2本に枝分かれした形で描かれている。
エ 顔のほぼ中心に鼻があり,両目と口は概ねその鼻を中心にした
逆正三角形の形に配置されている。
オ ひげは,鼻と口の間から頬の部分を通って左右に伸びる線とし
て描かれており,その一番上の線は,ネコの顔全体の高さの半分
近くの高さの部分を通っている。
カ 上記ア~オの各表現が組み合わされて正面をじっと見つめるネ
コの顔が描かれていることにより,全体として,愛らしいながら
も時として年を経た哲学者のような深遠な思索性をも同時に感じ
させる猫という生き物の不可思議で奥深い魅力を表現する,とい
う創作意図が実現されている。
すなわち,まず,目を上記アのような白目と黒目のコントラス
トが際だつ形とし,その一方で鼻と口を上記イ及びウのような抑
え目のシンプルな表現にすることにより,見る者を惹きつけるよ
うな黒ネコの視線の強さが表現されている。
同時に,目を上記アのような円形で描いたり,鼻を上記イのよ
うな形でこぢんまりと描いたり,両目,口及び鼻を上記エのよう
な配置とすることにより,実際のネコの顔に存在する獣臭さを離
れた,ユーモラスな愛嬌が醸し出しされている。
さらに,口を上記ウのような形としたり,ひげを上記オのよう
にして描くことにより,まるで口ひげを生やした哲学者が口を引
き結んでいるかのような思索性を感じさせる静謐さまでもが,ネ
コの表情に加えられている。
といった特徴を有する。」
b 著作物性
原告作品1(1)に描かれた黒ネコの顔の表現における特徴は,表現
上の本質的な特徴として,その創作性を基礎づけるものであり,原告
作品1(1)には著作物

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。