退去強制令書発付等取消請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成24(行ウ)770
判決日2014-01-10
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文憲法24条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,①本件裁決の適法性(争点1),②本件退令発付処分の適法
性(争点2)である。
(1) 争点1(本件裁決の適法性)について
(原告の主張)
ア 東京入国管理局長の裁量権とその違反に関する考え方
法務大臣又は法務大臣から権限の委任を受けた地方入国管理局長(以下
「法務大臣等」という。)は,在留特別許可の許否の判断に当たり,事実
を正確に把握した上で,国際条約や,国際的な準則,各種通達,先例,出
入国管理基本計画等が示すところに従い,退去強制が著しく不当であるか
否かを慎重に判断すべきであり,考慮すべき事実を考慮せず,考慮すべき
でない事実を考慮して判断がされた場合,あるいは合理性を持つものとし
て許容されない判断がされた場合には,その判断は,裁量権の範囲を逸脱
し,又はこれを濫用した違法なものとなる。
イ 原告とAとの真摯な内縁関係
(ア) 入管法上,「永住者」は,日本社会の構成員として,日本人に準じて,
日本に永住することが予定されており,「永住者」の配偶者は,その婚
姻関係を通じて,日本と密接な関係を有する者として,「永住者の配偶
者等」の在留資格該当性を有する。
また,婚姻は,夫婦が同等の権利を有することを基本とし,相互の協
力により維持されなければならないものであり(憲法24条参照),我
が国に永住することを許可された外国人が,外国人と婚姻した場合にお
いては,国家としても,当該外国人の在留状況,国内事情,国際情勢等
に照らして当該外国人の在留を認めるのを相当としない事情がある場合
は格別,そうでない限り,両名が夫婦として互いに同居,協力,扶助の
義務を履行し,円満な関係を築くことができるようにその在留関係につ
いて一定の配慮をすべきものと考えられ,市民的及び政治的権利に関す
る国際規約(以下「B規約」という。)23条も,その趣旨を明らかに
している。さらに,永住者と婚姻をして夫婦の実体を築いている両名の
同居を妨げることは,B規約17条に違反することにもなる。そして,
これらは,永住者と法律婚が成立している場合に限らず,内縁関係が成
立している場合にも同様である。
したがって,永住者との間で,真摯な婚姻の実質を備えた内縁関係に
ある者を退去強制することは,日本に生活の基盤を築いた家族の生活を
保護する見地から,「著しく不当」(出入国管理及び難民認定法施行規
則42条4号)であり,永住者と真摯な内縁関係にあることは,原則と
して「特別に在留を許可すべき事情」(入管法50条1項4号)に該当
する。
(イ) Aは,平成元年6月14日,本邦に上陸し,本件裁決時までの在留期

主文(判決文より)

1 東京入国管理局長が原告に対し平成24年5月8日付けでした出入国管理及
び難民認定法49条1項に基づく異議の申出は理由がない旨の裁決を取り消
す。
2 東京入国管理局主任審査官が原告に対し平成24年5月15日付けでした退
去強制令書発付処分を取り消す。
3 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。