商標権侵害差止請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成26(ワ)770
判決日2014-08-28
分類知的財産 / 商標
判決種別判決
判決文が挙げた条文商標法4条1項7号、商標法26条1項2号、商標法36条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 被告標章の使用が商標的使用に当たるか(争点1)
(2) 被告標章は普通名称などを普通に用いられる方法で表示する商標に当た
るか(争点2)
(3) 本件登録商標の商標登録が商標登録の無効の審判により無効にされるべ
きものと認められるか(争点3)
(4) 原告の本訴請求が権利の濫用に当たるか(争点4)
3 争点に関する当事者の主張
(1) 争点1(被告標章の使用が商標的使用に当たるか)について
(原告)
ピタバは,取引者,需要者,とりわけ医薬品を服用する患者において,ピ
タバスタチンあるいはピタバスタチンカルシウムと認識されているとはいえ
ず,服用者たる患者は,被告標章を視認して他の薬剤と出所を識別するので
あるから,被告標章は自他商品識別機能を奏する。
被告は,ピタバがピタバスタチンの略称であることの根拠として研究報告
や公開特許公報等を挙げるが,これらはピタバスタチンをロスバスタチン等
と比較する等限られた使用例に過ぎない上,取引者,需要者,とりわけ患者
の認識を示すものではないから,被告の主張には理由がない。患者は,自ら
の意思と支出において医薬品を購入するのであり,少なくとも医薬品が処方
される過程に影響を与えるから,取引者,需要者に当たる。
被告商品のパッケージであるPTPシートに「明治」と表示されていると
しても,それによって錠剤の「ピタバ」の表示が自他商品識別機能を失うわ
けではないし,とりわけ一包化調剤として被告商品を交付された患者は,パ
ッケージであるPTPシート等の表示を認識せず,錠剤の表示に基づいて薬
剤の出所を識別するから,被告標章が自他商品識別機能を奏することに変わ
りはない。
(被告)
ピタバは,ピタバスタチンカルシウムの略称であり,錠剤に被告標章の印
字あるいは刻印をしているのは,服用者が服用する際に他の薬剤と間違えな
いよう誤飲防止のためであるから,被告標章は,商標的機能,すなわち自他
商品識別機能を有しない。
ピタバスタチンの「statin」(スタチン)は,コレステロール値を下げる
薬の総称の1つであり,これを除外したピタバは,ピタバスタチンカルシウ
ムを想起させる略称として,需要者,取引者たる調剤薬局の現場において一
般的に使用されている。このことは,特許庁審査官が原告の「ピタバ」の商
標登録出願を拒絶したことや,ピタバスタチンを「ピタバ」ないし
「PITAVA」と略称した研究報告,公開特許公報等があることから明らかであ
る。被告商品は処方箋医薬品に該当するから,患者は,被告標章を出所表示
として認識した上で任意に被告商品を選択して購入することはなく,取引者,
需要者に該当しない。
被告商品のパッケージであるPTPシートには,いずれも「明治」と表示
されており,商標としての自他商品識別機能は,「明治」の部分にある

主文(判決文より)

原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。