特許権侵害行為差止請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成25(ワ)4040
判決日2014-12-24
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法2条3項3号、特許法104条
当事者原告 中外製薬株式会社/被告 DKSHジャパン株式会社/被告 岩城製薬株式会社/被告 高田製薬株式会社/被告 株式会社ポーラファルマ

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点となる場合には,請求項ごとに特許がさ
れたものとみなして審理判断することになるから〔特許法104条の3第1
項,123条1項柱書,185条参照〕,以下では,本件特許のうち,請求
項13に係る発明〔本件発明〕についての特許を指して,「本件発明につい
ての特許」ということがある。また,本件特許のうち,請求項13以外の特
定の請求項〔例えば,請求項1〕に係る発明についての特許を指して,「請
求項1に係る発明についての特許」などということがある。)と均等であ
り,その技術的範囲に属すると主張して,特許法2条3項3号,100条1
項,2項に基づき,被告製品の輸入,譲渡等の差止め及び廃棄を求める事案
である。
被告らは,被告方法が本件発明と均等ではないと主張するとともに,本件
発明についての特許が特許無効審判により無効とされるべきものと認められ
ると主張して,争っている。
2 前提となる事実(当事者間に争いがない事実以外は,末尾に証拠等を掲記す
る。)
当事者
ア 原告は,医薬品の研究,開発,製造,販売及び輸出入等を業とする株式
会社である。
イ 被告DKSHは,医薬品の輸入,販売等を業とする株式会社である。
ウ 被告岩城製薬,被告高田製薬,被告ポーラファルマは,それぞれ,医薬
品の販売等を業とする株式会社である。
マキサカルシトール
原告は,活性型ビタミンD 誘導体であるマキサカルシトールを有効成分
とする角化症治療剤である商品名オキサロール軟膏・ローションを製造販売
している。
活性型ビタミンD の生理作用としては,古くからカルシウム代謝調節作
用が知られていたが,細胞の増殖抑制作用や分化誘導作用等の多岐にわたる
新しい作用が発見され,角化異常症の治療薬として期待されるようになって
いた。しかし,活性型ビタミンD には血中カルシウムの上昇という副作用
の問題があった。
原告は,活性型ビタミンD であるカルシトリオールの化学構造を修飾し
た物質であるマキサカルシトールが細胞増殖抑制作用,分化誘導作用を有し
ながら,血中カルシウム上昇作用が弱いことを見いだした。すなわち,下記
の左図がビタミンD (非活性),中図がビタミンD の1αと25位が水酸
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化して活性化したカルシトリオール(1α,25ジヒドロキシビタミンD )
であるが,原告は,カルシトリオールの22位のメチレン基を酸素原子に置
き換えることによって,増殖抑制作用が10~100倍向上し,他方,副作
用である血中カルシウム,リンの上昇作用がカルシトリオールよりも著しく
弱い物質が得られることを見いだしたものである(弁論の全趣旨)。
この構造の物質がマキサカルシトール(右図)である。
原告は,昭和60年12月26日(優先権主張・昭和59年12月28
日),新規物質であったマキサカルシトールを含む9,10-

主文(判決文より)

1 被告DKSHは,平成29年9月3日まで,別紙物件目録1記載のマキサカ
ルシトール原薬を輸入し,又は譲渡してはならない。
2 被告岩城製薬は,平成29年9月3日まで,別紙物件目録2記載 のマキ
サカルシトール製剤を譲渡し,又は譲渡の申出をしてはならない。
被告高田製薬は,平成29年9月3日まで,別紙物件目録2記載 のマ
キサカルシトール製剤を譲渡し,又は譲渡の申出をしてはならない。
被告ポーラファルマは,平成29年9月3日まで,別紙物件目録2記載
のマキサカルシトール製剤を譲渡し,又は譲渡の申出をしてはならない。
3 被告DKSHは,別紙物件目録1記載のマキサカルシトール原薬を廃棄せよ。
被告岩城製薬は,別紙物件目録2記載 のマキサカルシトール製剤を廃
棄せよ。
被告高田製薬は,別紙物件目録2記載 のマキサカルシトール製剤を廃
棄せよ。
被告ポーラファルマは,別紙物件目録2記載 のマキサカルシトール製
剤を廃棄せよ。
5 訴訟費用は被告らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。