事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成26(行ウ)74等 |
| 判決日 | 2015-02-06 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法22条2項、民法4条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,①本件各不許可処分が適法か否か(争点1),②本件各義務 付けの訴えが適法か否か(争点2)である。 (1) 争点1(本件各不許可処分が適法か否か)について (原告らの主張の要旨) ア 法務大臣の裁量権の範囲について ( ア ) 法務大臣による帰化不許可処分は,その基礎とされた重要な事実 に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合, 又は,事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと,判断の過程 において考慮すべき事情を考慮しないこと等によりその内容が社会 通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合には,裁量 権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となる。 原告らのように,歴史的経緯により日本国籍を喪失しながら,日 本で生まれ育ち,日本人と同じ生活をしてきた特別永住資格を有す る外国人にとって,日本国籍の取得は,日本国民としてのアイデン ティティーを取得,確立するという点において極めて重要であり, 憲法22条2項,世界人権宣言15条の趣旨にも鑑みれば,帰化の 許否の判断につき,法務大臣の裁量権は大幅に制限を受けるという べきであるから,その適法性についての司法審査は厳格に行わなけ ればならない。国籍法も,このような外国人にとっての日本国籍取 得の重要性に鑑み,日本で生まれた外国人について,帰化許可の条 件を緩和している。 ( イ ) 国籍法5条1項,6条ないし9条が帰化の判断の基礎として規定 している事項によれば,法務大臣が帰化の判断に際して考慮するこ とができる事項は,申請者個人を基準にして,日本との精神的親和 性の有無,程度,日本における安定した生活の見込みの有無,程度, 日本社会に与える影響の有無,内容,血統等に係る日本との関連性 の有無,程度等の事情に限られるというべきである。 帰化申請を行う外国人について,外国人学校に通学することない し通学させることを選択したことを考慮して,帰化不許可処分を行 うことは社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことは明らかであり, 申請者が朝鮮学校に通うことを問題にするのは,朝鮮学校に通う生 徒に対する差別的取扱いとして許容されない。 イ 原告Aについて ( ア ) 原告Aは,出生してから約42年間日本に居住しており,引き続 き5年以上日本に住所を有する者であり(国籍法5条1項1号), 現在42歳であるから,大韓民国民法4条によって成人に達し,行 為能力を有する者である(同項2号)。原告Aは,前科前歴はなく, 行政処分を受けたこともなく,就労の経験もあり,素行が善良であ るといえる(同項3号)。原告Aの配偶者であるFは,株式会社の 取締役として安定した収入を得ており,原告Aは生計を一にする親 族の資産又は技能によって生計を営むことができる(同項4号)。 原告Aは,大韓民国国籍法
主文(判決文より)
1 本件各訴えのうち,帰化の許可の義務付けを求める部分をいず れも却下する。 2 その余の訴えに係る原告らの請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は原告らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。