事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成26(ワ)20279 |
| 判決日 | 2015-04-28 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 特許法35条1項 |
| 当事者 | 原告 成幸利根株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 本件発明は特許法35条1項所定の職務発明に当たるか否か 3 争点に関する当事者の主張 [原告の主張] (1) 本件発明は鋼管圧入工法及び鋼管圧入機に関するものであるところ,本 件発明がされた当時,伸栄は鋼管圧入工事を業として行っていたのであるか ら,本件発明は伸栄の業務範囲に属する。 (2) 被告は,伸栄の創業者であり,前代表取締役であったことから,本件株 式譲渡後も,伸栄の取引先との交渉,打合せや技術開発,技術指導等伸栄の 業務全般を行っていた。伸栄での営業活動には,機械の施工能力や施工方法 に関する知見や,工事現場の状況・土壌の硬さ,施工する鋼管杭の本数など の工事に係る詳細条件の把握等が不可欠であるから,被告の職務が主として 営業関係であったとしても,被告のスペック営業(顧客に対して,工事計画 の検討段階から,現場の状況を踏まえた上で他社と比較した技術・工法の優 位性等をアピールする営業)の職務の一環として,顧客の工事内容や意向に 応じて随時技術開発を行うことも当然に予定ないし期待されていた。 (3) 本件発明に至る経緯は以下のとおりであるから,本件発明は,被告の職 務に属する発明であった。 ア 伸栄は,平成23年1月ころ,国土交通省が発注予定であった石川県小 松市の天神低水護岸工事(以下「本件工事」という。)の受注を目指して いた。本件工事がΦ1400の鋼管矢板打設工事となる見込みであったと ころ,伸栄は,これに対応できる鋼管圧入機を有していなかったため,本 件工事の受注を契機に,Φ1400対応型鋼管圧入機を新たに購入するこ とを検討していた。 イ 被告は,Φ1400対応型鋼管圧入機の安定性を確保するための仕様に ついて株式会社コーワン(以下「コーワン」という。)との間で打合せを 重ね,その協議のなかで,クランプ装置をスライド移動可能とし1本の先 行鋼管を飛ばして配置することができるようにする案を出し,これに基づ いて伸栄の担当者としてコーワンに対し本件発明に基づく鋼管圧入機の製 作検討及び見積依頼を行った。 ウ 伸栄は,被告が取締役を退任した後,コーワンに対し,本件発明に基づ く鋼管圧入機を発注した。 [被告の主張] (1) 本件発明が鋼管圧入工法及び鋼管圧入機に関するものであることは認め るが,本件発明の発明行為が鋼管矢板・鋼管杭圧入工事等の土木工事を業と する原告の業務範囲に属することについては否認する。 (2) 被告は,本件株式譲渡以降は,営業のみを担当しており,技術指導・技 術開発等は担当していなかった。伸栄が受注を目指していた本件工事につい ても,被告は,伸栄が本件工事のためにΦ1400の鋼管矢板打設工事に対 応できる鋼管圧入機の製作をコーワンに依頼しようとしていたことは認識し ており,営業活動の一環として,その参考見積をコーワンに
主文(判決文より)
1 原告と被告との間において,原告が別紙特許権目録記載の特許権 について特許法35条1項に基づく通常実施権を有することを確認 する。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。