事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和4(う)760 |
| 判決日 | 2025-02-04 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 商法197条1項1号 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点 検察官は、Bの報酬の中には、取締役としての職務執行の対価として、 支払われる金額は定まっているものの、支払を延期され、いずれ支払われる ものとして管理されている未払の報酬があり、この未払報酬を含めた報酬額 を有価証券報告書に記載して開示すべきであったのに、これを記載せずに既 払分の報酬額しか開示しなかったことをもって「虚偽の記載」(金商法19 7条1項1号)に当たると主張する。そして、Cは、裏報酬である未払報酬 の金額の記録及び管理の役割を担い、被告人は裏報酬である未払報酬の支払 方法(支払名目)の検討及び整備の役割を担っていたもので、被告人が検討 していた各種の支払方法等はBの未払報酬を支払うためのものであった旨主 張する。 弁護人は、Bの報酬について有価証券報告書に記載した金額のほかに 記載すべき未払の報酬は存在しないし、仮にBとCとの間に有価証券報告書 に本来記載すべき金額より低い金額を記載して提出する旨の共謀があったと しても、被告人との間にはそのような共謀はない旨主張するとともに、本件 でA株式会社が提出した有価証券報告書におけるBの報酬に関する記載は、 刑事罰の対象となる「虚偽の記載」に該当しない旨も主張し、被告人は無罪 であるとする。 検察官及び弁護人の各主張を踏まえると、まず、Bの報酬の中に有価 証券報告書に記載して開示すべきであるのに開示されていない未払の報酬が 存在するのか否か、すなわち、「Bの開示すべき未払の報酬の存否」が争点 となる。 次いで、Bの開示すべき未払の報酬の存在が認められた場合、これを含む 報酬額を有価証券報告書に記載せずに提出することについて、B及びCに認 識があったか否か、更にはBとCとの間で共謀があったか否か(「BとCと の共謀の有無」)が問題となり、結論としてB及びCに虚偽記載有価証券報 告書提出罪が成立するか否かを検討することになる。なお、同罪の成否を検 討するに当たっては、本件でA株式会社が提出した各有価証券報告書に「虚 偽の記載」があるのか否かが前提の問題となる。 さらに、BとCとの共謀が認められ、両者に虚偽記載有価証券報告書提出 罪の成立が肯定された場合に、「被告人とB及びCとの共謀の有無」が問題 となる。そして、その前提として、被告人に虚偽記載有価証券報告書提出罪 の故意が認められるか否かが問題となり、更にその前提として被告人がBの 開示すべき未払の報酬の存在について認識していたか否か(「Bの開示すべ き未払の報酬に関する被告人の認識の有無」)が問題となる。 2 Bの開示すべき未払の報酬の存否 会社としては、①会社における権限規定等に基づいて取締役の報酬につい て決定する正当な権限を有する者が、②会社の所定の手続に従って取締役の 報酬額を決定し、③会社の所定の部署において取締役の報酬が継続的に
主文(判決文より)
本件各控訴を棄却する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。