事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成26(ワ)7548 |
| 判決日 | 2015-08-25 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条、特許法36条6項1号、特許法100条1項、特許法102条2項、特許法104条 |
| 当事者 | 原告 株式会社メンテック/被告 株式会社南日本モラブ |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 被告製品が本件発明の構成要件Cを充足するか(なお,被告は,被告製 品が構成要件A,B及びDを充足することを争っていない。) 本件特許に以下の無効理由があり,特許法104条の3第1項の規定に より権利行使が制限されるか ア 原告が販売又は提供した製品「ダスクリーン上質1号」(以下「ダス クリーン上質1号」という。)及びその製品安全データシート(乙11。 以下「本件MSDS」といい,これに記載された発明を「乙11発明」 という。)に基づく新規性欠如 イ 特開2008-19525号公報(乙2。以下「乙2文献」とい う。)に基づく新規性又は進歩性の欠如 ウ サポート要件(特許法36条6項1号)違反 3 争点に関する当事者の主張 構成要件Cの充足性について (原告の主張) ア 構成要件Cは「前記乳化剤が,脂肪酸とアミン化合物との中和物であ - 4 - る」であるところ,被告製品には,脂肪酸と,エタノールアミンとのエ タノールアミン塩が含まれており(被告製品の構成c),「エタノール アミン」は「アミン化合物」に,「エタノールアミン塩」は「中和物」 に,それぞれ該当する。したがって,被告製品は,乳化剤が脂肪酸とア ミン化合物との中和物であるから,構成要件Cを充足する。 イ 被告は,本件特許に係る特許査定の際に審査官が作成した特許メモ (乙1。以下「本件特許メモ」という。)及び本件明細書の記載を根拠 に,構成要件Cは乳化剤として脂肪酸とモルホリンとの中和物のみを含 有していることである旨主張する。 しかし,特許メモに基づいて特許請求の範囲に記載された用語の意義 を解釈すべき根拠はない上,本件特許メモが参考文献として記載する乙 2文献記載の発明は,本件発明とは作用も対象物も異なるほか,本件発 明の乳化剤についての記載もない。 さらに,モルホリンは実施例として示されたものであって,特許発明 の技術的範囲を実施例に限定して解釈することは不当である。 (被告の主張) ア 以下のような本件特許メモ及び本件明細書の記載から,構成要件Cは, 乳化剤として,脂肪酸と「モルホリン」との中和物「のみ」を含有して いることと解釈されるべきである。 本件特許メモは,乙2文献には,多数の化合物の中から脂肪酸とア ミン化合物との中和物を選択し,単独で用いることは記載も示唆もさ れておらず,本件発明は乙2文献に記載も示唆もされていない上記事 項により紙の色抜けを抑制できる等の効果を有するとしている。 また,乙2文献には,非シリコーン系オイルを乳化させる乳化剤と して,脂肪酸とアミン化合物との中和物「を含む」汚染防止剤組成物 が記載されている。 - 5 -
主文(判決文より)
1 被告は,別紙被告製品目録記載の抄紙用汚染防止薬液を製造し, 販売し,販売の申出をしてはならない。 2 被告は,前項の抄紙用汚染防止薬液を廃棄せよ。 3 被告は,原告に対し,31万9063円及びこれに対する平成 27年5月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支 払え。 4 訴訟費用は被告の負担とする。 5 この判決は,第1項及び第3項に限り,仮に執行することがで きる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。