著作権侵害差止等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成27(ワ)15005
判決日2016-01-21
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条、著作権法112条
当事者被告 株式会社復刊ドットコム

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
⑴ 本件書籍発行についての原告の許諾の有無
⑵ 原告の許諾についての錯誤の有無
⑶ 本件書籍における氏名表示権侵害の有無
⑷ 損害額
3 争点についての当事者の主張
⑴ 争点⑴(本件書籍発行についての原告の許諾の有無)について
(被告の主張)
被告の担当者が,平成24年1月6日,原告に対し,本件書籍の趣旨及び
概要を説明し,許諾料を告げて本件書籍に本件イラストを複製して出版する
ことについて許諾を求めたところ,原告はこれを許諾した。このことは,同
年2月5日に原告が許諾料の振込先を教示する電子メールを送信しているこ
とからも明らかである。
(原告の主張)
原告は,担当者から本件書籍の発行及びイラストの許諾料の支払について
話があった際,本件書籍の元となった原書籍の発行を知らなかったので,原
書籍を見せるよう依頼したが,これを拒絶されたことから,許諾するか否か
の回答を留保した。したがって,振込先の教示にかかわらず,本件書籍の発
行について原告は許諾していない。
⑵ 争点⑵(原告の許諾についての錯誤の有無)について
- 3 -
(原告の主張)
被告の担当者は,原告への電話で本件書籍の発行について説明した際,原
書籍にはイラストに名前がないので著者名が分からない旨述べた。本件イラ
ストは,元々,雑誌の「特集ページ」に掲載されていたものであり,特集ペ
ージでは,他のページ(記事ページ)と異なり,著作者である原告の氏名
(筆名を含む。以下「原告名」という。)がイラストごとに表示されていた
ことから,原告は,原書籍に掲載されているのは本件イラストとは別のイラ
ストであると勘違いしたものであり,イラストごとに原告名が表示されてい
ないことが分かっていれば,許諾の意思表示をすることがなかった。したが
って,仮に原告の許諾があったと認められるとしても,意思表示の要素に錯
誤があった。
(被告の主張)
本件書籍に掲載されるイラストが元々雑誌の「特集ページ」とそうでない
ページのいずれに掲載されていたものかは原告の内心の問題にすぎず,仮に
錯誤があるとしても動機の錯誤であるが,こうした動機は全く表示されてい
ないから,意思表示の錯誤とならない。
⑶ 争点⑶(本件書籍における氏名表示権侵害の有無)について
(原告の主張)
本件イラストは,雑誌に掲載された際,イラストごとに原告の氏名が表示
される「特集ページ」に掲載されていた。にもかかわらず,本件書籍では,
こうしたイラスト付近にあった原告名を抹消し,目次において他の著作者と
一緒に原告名が表示されている。こうした方法は,氏名の表記方法について
公正な慣行に従ったものとはいえず,原告の氏名表示権を侵害する。
なお,被告は,本件書籍における表記方法は原書籍と同一である旨主張す
るが,原書籍(甲34)にそのような表示はなく,被告

主文(判決文より)

原告の請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。