損害賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号令和6(ネ)3984
判決日2025-02-06
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項、憲法38条1項

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び争点に対する当事者の主張は、次のと
おり補正し、当審における控訴人の追加主張及び控訴理由を後記3のとおり付
加するほか、原判決の「事実及び理由」の第2の2及び3に記載のとおりである
から、これを引用する。
⑴ 原判決3頁3行目の「Aが死亡した。」を「Aは死亡し、B及びCは負傷し
た。」と改める。
⑵ 原判決4頁19行目の「イ 」の後に「控訴人は、10月15日に逮捕さ
れる前、3回にわたる本件犯人隠避教唆事件についての任意取調べに応じ、
その際には黙秘することなく、嫌疑が事実無根であるとして否認する旨供述
していた。」
⑶ 原判決4頁22行目の「と述べた。」の後に、「そこで、D検察官は、「黙秘
にしたの。」と確認し、控訴人は「はい。」と回答した。」を加える。
⑷ 原判決4頁25行目の「静止し、」の後に「本件犯人隠避教唆事件について、」
を加える。
3 当審における控訴人の追加主張及び控訴理由
⑴ 当審における控訴人の追加主張
D検察官は、10月18日、控訴人に対し、E弁護士に対して真実を話さ
ないと迷惑がかかるとか、騙すことになるなどと伝えるとともに、E弁護士
及びF弁護士が証拠関係から控訴人の言っていることが正しくないことに気
付くとか、実態と弁解が食い違ったときに上記弁護士らに迷惑がかかるなど
と伝えた。
控訴人は、弁護人が実は疑っていると伝えられたものと考え、その疑念や
不安から弁護人らとの接見において、弁護人らの態度を心配するようにな
り、何も気にせずに話をすることができなくなった。
D検察官の上記発言は、控訴人とE弁護士又はF弁護士との信頼関係を害
し、防御活動に支障を生じさせることが明らかであり、弁護人依頼権を侵害
する行為である。
⑵ 黙秘権侵害
ア 黙秘する被疑者に対する取調べの継続が憲法38条1項に違反すること
控訴人の黙秘権行使の意思は揺らぎようがない明確なものであり、この
ような控訴人に対する取調べの継続を許容することは、控訴人に何時間も
の取調べが続くことへの忍耐を強いることを許容するということになり、
憲法38条1項の趣旨と相いれない。控訴人は、56時間以上にわたる取
調べに耐え、黙秘を貫徹したが、その黙秘権が侵害されていないわけでは
ない。
憲法38条1項が同条2項とは別に黙秘権を保障している趣旨は、供述
の自由を危険にさらすことを禁じる事前規制の趣旨を含むものであり、米
国では、Miranda 判決によって被疑者が黙秘権を行使したにもかかわらず
取調べを継続することが供述の強要にあたるとし、取調べの事前規制を実
現している。控訴人に対する取調べの実態は、我が国においても、Miranda
判決と同様、取調べがもつ強制的な雰囲気を直視しなければならないこと
を明らかにしている。
そして、黙秘権を行使している被疑者を密室にとどめ

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。