事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(ワ)3218 |
| 判決日 | 2016-08-19 |
| 分類 | 知的財産 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法723条、著作権法115条 |
| 当事者 | 被告 株式会社朝日新聞社 |
この事件の代理人
- 秋山幹男(被告代理人)/第二東京弁護士会
争点(判決文より)
争点 (1) 著作権ないし著作者人格権侵害の成否 ア 翻案権侵害の成否 イ 同一性保持権侵害の成否 ウ 名誉・声望権侵害の成否 (2) 名誉毀損の成否 ア 社会的評価の低下の有無 イ 真実性の抗弁ないし公正な論評の抗弁の成否 (3) 損害発生の有無及びその額 3 争点に関する当事者の主張 (1) 争点(1)ア(翻案権侵害の成否)について 〔原告の主張〕 被告各表現と原告各表現とを対比させると,別紙著作物対比表のとおりと なる。 これによれば,被告各表現の本質的特徴は,原告各表現の思想を反映した 映画産業の国際発展を妨げている利権構造批判にあり,また表現上の思想を サポートする要素として原告による調査,追求,研究に基づく斬新な視点で 論じられる東京国際映画祭の事業費と具体的な企業名を示し,その委託先と の関係性を論述したところにある。さらに,映画産業の既得権益にある社会 的集団を表す表現にも原告各表現の「映画村」(movie village)を用い, 「独占」(monopolized)という状態を示す表現をそのまま引き写している。 論述においても,平成26年の映画祭事業費と委託費の割合の数字をほぼそ のまま引き写し,その後も,既得権益を構成する企業として大手映画会社と その子会社,電通及び森ビルに触れ,更に同年に初めて確認された東京国際 映画祭とクールジャパン政策の連携という特徴的な出来事について,原告各 表現の一部を削り又は要約している。 したがって,被告各表現は,原告各表現の内容及び形式を覚知させるに足 りるものか,少なくとも原告表現の表現上の本質的な特徴を直接感得するこ とができるものであって,原告の著作権(翻案権)を侵害する。 〔被告の主張〕 原告の主張する「映画産業の利権構造批判」や「事業費と委託先との関係 性」は表現上の本質的特徴とはいえない。「映画村」及び「独占」もこれを もって表現上の本質的特徴とはいえない。事業費と委託費の割合は単なる事 実を示すものにすぎず,これも表現上の本質的特徴とはいえない。企業名を 記載した点も表現上の本質的特徴とはいえない。東京国際映画祭とクールジ ャパン政策との連携についての記載も同様である。したがって,被告記事は 原告記事の翻案に該当しない。 なお,別紙著作物対比表2枚目の訳文のうち「映画祭に対する」は「映画 祭に関する」とするのが,「のせいだと批判し」は「に責任があるとし」と するのが正確である。 (2) 争点(1)イ(同一性保持権侵害の成否)について 〔原告の主張〕 被告記事には「東京国際映画祭と日本映画全般のがっかりするような国際 的な地位は“映画村”のせいだと批判し,映画産業の既得権益に触れた」と あるが,原告記事にはそのような表現,論述は一切存在しない。上記表現部 分は,事実を誤るだけでなく,原告の人格
主文(判決文より)
1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。