事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成27(ワ)31705 |
| 判決日 | 2016-10-25 |
| 分類 | 民事 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 当事者 | 原告 一般財団法人知と文明のフォーラム |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点及び争点に関する当事者の主張 (1) 本件文書が自筆証書である遺言書に当たるか (原告の主張) ア 本件文書は,亡Bの全財産をフォーラムに遺贈する旨を内容としている ものであるところ,その全文,日付及び氏名が遺言者である亡Bの自書に よるものであり,押印もされているから,遺言書である。 イ 被告は,本件文書の記載内容,記載方法等,作成後の事情からすれば, 本件文書は単なる下書きであって,遺言書ではないと主張する。 しかしながら,本件文書の内容を合理的に解釈すれば,その記載内容は 明確である。また,亡Bが第三者に見せる文書に加除訂正部分を残したま まにしておくこともあったから,必ず清書していたということはない。な お,本件文書にはペンで書かれた部分と,鉛筆で書かれた部分があるが, これは,亡Bがペンを用いて遺言書として完成させた後に,将来の遺言書 の修正のための準備行為として鉛筆を使用したものであるから,鉛筆によ る変更が方式違反で効力を生じないとしても,ペンによる記載部分まで無 効になるものではない。さらに,遺言書は何度でも書き換えることが可能 - 3 - であるから,本件文書を遺言書として完成させた後に次の遺言書の作成を 検討し,弁護士に相談して助言を求めていたとしても,本件文書が有効な 遺言書であることと矛盾しない。 (被告の主張) 本件文書は,その記載内容や記載方法等,作成後の事情からすると,単な る下書き,草案程度のものであって,遺言書ではない。 ア 本件文書の記載内容 本件文書には,「必要な諸経費を除き、原則として私名義の財産のすべ て」を遺贈する旨の記載があるが,「必要な諸経費」が何を指すのか不明 であって遺贈の対象が特定されていない。また,亡Bの著作集につき「そ の刊行費用を遺産から支出する。刊行事務や編集作業は、Aと<フォーラ ム>委員中の有志、および今後私が指名した方に、有償でお願いしたい。」 との記載があるが,「刊行費用」,「今後私が指名した方」,「有償」な どが不明確である。 イ 本件文書の記載方法等 本件文書には被告の英字のネーム入りの原稿用紙が用いられており,そ の3枚目は被告作成の文書が印刷された用紙の裏面である。また,本件文 書の本文中には吹き出しによる加筆や二重線による削除など数多くの加 除訂正があり,文書の作成途上であったことがうかがわれる。しかも,本 件文書の末尾の「C」という押印は実印でなく,三文判によるものである 上,本件文書は,封筒にすら入っておらず,他の書類に雑然と紛れている 状態にあった。これらのことからすれば,亡Bが本件文書を遺言書として 作成したとは考え難い。 ウ 本件文書の作成後の事情 亡Bは本件文書を作成した後に2名の弁護士に対して遺言書の内容を相 談しており,各弁護士は亡Bが遺言書を作成していないこ
主文(判決文より)
原告の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。