事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(ワ)16088 |
| 判決日 | 2017-03-23 |
| 分類 | 知的財産 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条、著作権法114条2項 |
| 当事者 | 原告 株式会社鳳凰堂/被告 株式会社箔一 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 被告は,本件著作物と被告デザインが同一又は類似であることを争わず,次 の4点を争っている。 ⑴ 本件著作物の著作物性 ⑵ 本件著作物の著作者及び著作権者 ⑶ 被告デザインの本件著作物への依拠性 ⑷ 損害額 3 争点に関する当事者の主張 ⑴ 争点⑴(本件著作物の著作物性)について (原告の主張) 本件著作物は,特に「紙」の文字の「氏」部の4画目が1画目の上に突き 出ている点及び「糸」偏の形状,「る」の文字が小さく配置されている点, 「や」の文字の3画目の先の部分をかすれさせている点などが特徴的で,全 体として独創的かつ伝統的な雰囲気を醸し出している著作物であって,「ふ るや紙」の文字の右上にある模様も同様であるから,これを見る一般人の審 - 3 - 美感を満足させる程度の美的創作性を有する。本件著作物が商業上の目的で 作成されたものであることから直ちに著作物性が否定されるという被告の主 張は誤りである。 (被告の主張) 本件著作物は,あぶらとり紙を綴った商品「ふるや紙」の表紙のデザイン であって,需要者の目を引くなど専ら商業上の目的のために作成されたもの であり,美的鑑賞の対象とすることを意図したものでない。また,文字の配 置も商品の表紙としてありふれたものである。 したがって,本件著作物に著作物性はない。 ⑵ 争点⑵(本件著作物の著作者及び著作権者)について (原告の主張) 原告は,昭和51年2月頃,被告が開発した製法によるあぶらとり紙の製 造を被告に委託するに当たり,「ふろや紙」と呼ばれていた従前のあぶらと り紙とは製法が異なることから,「ふるや紙」との名称を考案し,B に対し て商品の表紙デザインの作成を依頼した。B はこれを受けて本件著作物を作 成してその著作権をAに譲渡し,Aは原告に対し同著作権を譲渡した。原告 は,B から受領した本件著作物の原画を被告に交付して,これを表紙とする あぶらとり紙(原告商品)の製造を委託した。 本件著作物をBが作成したことは,本件著作物の「ふるや紙」の文字がB の筆跡であって,B が作成した他のデザインである「ふろや紙」,「ゆとり紙」 及び「かほり紙」の文字と類似しており,筆跡鑑定(甲24)でもこれらが 同一人の筆跡とされていること,B は多数のデザイン経験から本件著作物を 作成する能力を有していたこと,「ふるや紙」は A が命名したものであり, かつ,本件著作物は原告商品の表示であってその出所を示すものとして需要 者に広く認識された原告の商標であるから,原告の依頼によって作成される のが当然であることなどから明らかである。なお,原告は,他店が「ふるや - 4 - 紙」の名称を使用して混同が生じるようになったため,商品名を「ゆとり紙」 に変更したが,これにも「旧ふるや紙」と記載している。 これに対し,被告は,書家
主文(判決文より)
原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。