昏酔強盗,住居侵入,窃盗被告事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成26刑(わ)1790
判決日2017-04-28
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点の所在と当裁判所の判断
被告人は,判示の各犯行について,いずれも自分の記憶にはないが,自分は
解離性障害により別人格になってしまうことがたびたびあり,本件各犯行は,
その別の人格がやってしまったと思う旨供述している。そして,弁護人は,被
告人は解離性同一性障害に罹患しており,本件各犯行は,被告人の別人格であ
る「甲」が実行したもので,主人格である「乙」人格自身は,犯行を弁識して
いないことはもちろん,これを制御することもできなかったから,被告人に刑
事上の責任を問うことはできず,被告人には責任能力がないので,被告人は無
罪である旨を主張している。
当裁判所は,この点について,本件各犯行は,いずれも,被告人が平素の人
格状態で行ったもので,被告人には完全責任能力が認められると判断したので,
その理由について以下に説明する。
第2 被告人の平素の人格状態と本件各犯行時における被告人の振る舞いにつ
いて
1 被告人の平素の人格状態について
被告人は,女性として出生し,「丙」と命名されたものの,小学校4年生
頃から,スカートを履いて女の子と混ざって遊んだり,女の子の遊びをした
りすることに違和感を覚えるようになり,中学生になった頃からは,髪の毛
を短く切って服装も男っぽい格好をするようになり,23歳の頃,知人の指
摘をきっかけに,自分が,肉体的には女性だが精神的には男性である,性同
一性障害であると明確に認識するに至り,平成22年6月頃乳腺の切除手術
を受け,翌平成23年頃には戸籍上の名を「丙」から「丁」に変更した。本
件各犯行の前後の時期も,髪の毛を短くし,男物の下着,上着とズボンを身
に着け,外出先では男性用便所を使用するなど,平素は男性として振る舞っ
ていた。
2 本件各犯行時における被告人の振る舞いについて
これに対し,本件各犯行時において,被告人は,ロングヘアーのウィッグ
を装着し,判示第2から第6の犯行では,さらにヒョウ柄のベレー帽をかぶ
って,ワンピース(第1)やショートパンツ(第2,第3,第6)など,足
が膝上まで見える丈の服を着て,その上に,同じくらいの丈のダッフルコー
トを羽織り(第4ないし第6),濃い色のタイツないしストッキングと,ヒ
ールのある,折り返しのついたベージュ色のショートブーツを履き(第1な
いし第6),花柄模様のバッグを抱えて(第1ないし第5),自らを「甲´」
(第1)あるいは「甲」(第2,第4ないし第6)等と名乗り,男性を誘い,
あるいは男性の誘いに応じて,その自宅に赴くなどして犯行に及んでいる。
これらの行動が,女性としての振る舞いであることは明らかである。
したがって,本件各犯行時における被告人の行動は,少なくとも,その服
装や振る舞いなどといった外形的な面については,平素の被告人の行動と異
なるものであることが明らかで

主文(判決文より)

被告人を懲役10年に処する。
未決勾留日数中480日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。