発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成28(ワ)37610
判決日2017-07-20
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文プロバイダ責任制限法4条1項、プロバイダ責任制限法4条1項1号、プロバイダ責任制限法4条1項2号、著作権法15条1項、著作権法23条1項、著作権法32条1項
当事者原告 有限会社プレステージ/被告 株式会社ハイホー

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
- 3 -
権利侵害の明白性(プロバイダ責任制限法4条1項1号)
(原告の主張)
ア 原告は本件原告動画に係る著作権を有するところ(著作権法15条1
項),本件発信者は本件原告動画を含む本件発信者動画のデータを動画共
有サイトにアップロードする本件投稿行為をした。これによって本件原告
動画に係る原告の公衆送信権(同法23条1項)が侵害されたことは明ら
かである。
イ 被告は,本件投稿行為は同法32条1項の適法な「引用」である,そう
でないとしても正当な行為であると主張する。
しかし,本件発信者動画は他人の著作物を結合した編集物にすぎず「引
用」に該当しない。また,本件発信者による本件投稿行為の目的は,本件
原告動画中に本件楽曲がBGMとして使用されているという話題を盛り
上げることにあり,原告による著作権侵害行為の事実を一般のインターネ
ットユーザーに知らしめて批評することにはない。また,仮にそのような
目的があったとしても本件冒頭部分を利用する必要がないこと,被引用著
作物である本件原告動画と引用物の主従関係が明確ではないこと,約2分
18秒間の性交渉のシーンである本件楽曲使用部分は視聴者の性的欲求
を満たすのに足りるものであり,本件原告動画の有料視聴の需要を減少さ
せるものであることから,本件投稿行為は公正な慣行に合致した正当な範
囲内で行われたものとはいえず,「引用」として適法になる余地はない。
また,仮に本件発信者が原告による著作権侵害行為を問題視していたの
であれば本件発信者動画をアップロードする前に原告に問い合わせるこ
と等の別の手段を採ることも容易にできたこと,本件投稿行為の際に閲覧
できるインターネットユーザーを限定することもできたこと等からする
と,本件投稿行為が正当な行為として違法性が阻却されることはない。
(被告の主張)
- 4 -
ア 本件投稿行為は著作権法32条1項の適法な引用である。すなわち,本
件発信者は,原告が本件原告動画において本件楽曲をBGMとして使用す
ることにより本件楽曲の著作権者の権利を侵害していることを一般のイ
ンターネットユーザーに知らしめて批評することが目的であったこと,本
件楽曲使用部分のほか,本件楽曲使用部分が本件原告動画の一場面である
ことを示すために本件冒頭部分を利用している一方でその他の部分は利
用しておらず,上記目的に必要な範囲内の利用であること,本件発信者動
画に利用されたのは本件原告動画全体の僅か3%程度にすぎず,本件原告
動画に係る原告の経済的利益に対する悪影響が皆無であること,本件発信
者動画のデータを動画共有サイトにアップロードするに当たり,本件原告
動画の出所も明示していること(同法48条1項1号)から,本件投稿行
為は公正な慣行に合致した正当な範囲内の

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。