出入国管理及び難民認定法違反,死体遺棄,殺人(認定罪名は傷害致死)

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成28特(わ)1462
判決日2017-09-11
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,①犯行の態様と死因,②殺意の有無である。
犯行の態様及び死因について,予備的訴因の限度で認定し,殺意を認定しな
かった理由について,説明する。
第2 被害者の死因について
1 F医師は,Bの死因は,頸部圧迫による窒息死である蓋然性が高いが,鼻口
部閉塞による窒息が競合した可能性もあるという。その主な根拠として,甲状
軟骨右上角部が骨折しており,その周囲には,骨折がない左上角部周囲とは明
らかに色調の違う出血による変色があるから,生前に骨折を生じたこと,顔面
に強いうっ血があり,頭蓋骨及び口腔粘膜のうっ血も頸部圧迫と矛盾しないこ
となどを指摘する。
他方,G医師は,Bの死因は,不詳であるとし,頸部圧迫による窒息死の可
能性のほか,鼻口部閉塞による窒息死の可能性,頸部圧迫に伴う不整脈により
死亡した可能性も否定できないという。その主な根拠として,骨折した甲状軟
骨右上角部周囲の変色が,生前の出血によるものか,死後の血色素浸潤による
ものか区別できないことに加え,30代女性の甲状軟骨は比較的柔らかいため,
頸部圧迫により甲状軟骨右上角部の骨折が生じるためには極めて強い外力が加
わったと考えられるにもかかわらず,頸部外表及び筋肉内に損傷が確認できな
いこと(疑問点①),うっ血部分とそうでない部分の境界線が頸部ではなく顔面
上に生じていること(疑問点②)につき,疑問があると指摘する。
2 F医師及びG医師は,いずれも経験豊富な法医学の専門家であり,公正さや
能力に疑いはない。G医師は,Bの死体解剖を執刀し,各種検査や解剖時の所
見を基にして,十分な検討を経た上で判断している。他方,F医師も,検視時
及び解剖時に撮影された十分な質と量の写真を基に判断している。両名の判断
過程に,問題はみられない。
ただし,Bの死体は腐敗がかなり進んでおり,所見を取ることが難しく,特
に生前の出血と,死後に生じる血色素浸潤の区別が困難な状態にあったことか
ら,所見やその解釈に差を生じていると考えられる。そうすると,裁判所とし
ては,いずれか一方の見解のみが信用できると軽々しく判断することはできな
い。
したがって,両医師による医学的見解を十分に尊重しつつ,以下,検討する。
3 F医師及びG医師は,Bの甲状軟骨右上角部が骨折していること,その骨折
部周辺に変色があること,顔面に強いうっ血があること,頸部の外表及び皮下
の筋肉内に損傷がないことについて共通して述べているから,これらの所見に
ついては確実なものとして認められる。両医師の意見が決定的に異なる点は,
甲状軟骨右上角部の骨折が生前に生じたと結論付けられるのか,死後に生じた
可能性が残るのかにある。
この点について,被告人は,Bの死後,その死体を持ち上げてキャリーバッ
グに詰める際,約15~20cmの高さからBの頭を落下

主文(判決文より)

被告人を懲役10年に処する。
未決勾留日数中270日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。