発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成29(ワ)21232
判決日2017-10-02
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法10条1項1号、著作権法18条1項、著作権法19条1項、著作権法23条1項
当事者被告 KDDI株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 著作権又は著作者人格権の侵害が明らかであるか(争点1)
(2) 本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか(争点2)
4 争点に対する当事者の主張
(1) 争点1(著作権又は著作者人格権の侵害が明らかであるか)について
【原告の主張】
ア 本件文書は,総極真の代表選挙における原告の公約文であり,「押しも押さ
れない地にしっかりと根を張った」などの個性的な表現を含む40文近くからなり,
誰が作成しても同様の表現になるとはいえないから,原告を著作者とする言語の著
作物に該当することは明らかである。
イ 本件各記事は,何者かが本件文書の全文をコピーし,本件掲示板に投稿した
ものであり,以下のとおり,原告の著作者人格権(公表権,氏名表示権)及び著作
権(送信可能化権)を侵害することは明らかである。
(ア) 本件文書は,原告が代表選挙で使用するという目的に限定して一部の関係者
にのみ回覧したものであるから,これを本件掲示板に掲載することは未公表の著作
物を公衆に提供,提示するものであり,原告の公表権を侵害することは明らかであ
る。
(イ) また,本件各記事の末尾には「Aⅰ’」と表示されているが,原告の氏名は「A
ⅰ」であり,原告の意に反する著作者名の表示である。これを本件掲示板に掲載す
ることは,著作物の公衆への提供若しくは提示に際し,著作者の意に反する著作者
名を表示するものであり,原告の氏名表示権(著作権法19条1項)を侵害するこ
とは明らかである。
(ウ) さらに,本件各記事は,インターネット上で誰でも閲覧可能な本件掲示板で
公開され送信可能化されているから,原告の送信可能化権(著作権法23条1項か
っこ書)を侵害することは明らかである。
【被告の主張】
ア 本件文書の著作物性について争う。本件文書を構成する個々の表現は,公約
としてありふれた表現であり,創作性は認められない。
イ(ア) 本件文書は,相当数の道場ないし会員を擁する団体の総会での代表戦の公
約として広く頒布されて公衆に提供されたものであり,「著作物でまだ公表されて
いないもの」(著作権法18条1項)に該当しないから,公表権侵害は成立しない。
(イ) 氏名表示権侵害については,不知ないし争う。
(ウ) 送信可能化権侵害については,不知。
(2) 争点2(本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか)について
【原告の主張】
原告は,本件各記事の投稿者に対し,本件文書の著作者人格権侵害及び著作権侵
害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求をする準備をしており,そのために
は,被告が保有する本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由がある。
【被告の主張】
不知ないし争う。

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,別紙1発信者情報目録記載の
情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。