事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(行ク)348 |
| 判決日 | 2017-10-10 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 行政事件訴訟法25条2項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張の要旨 本件における争点は,(ア)本件引渡請求が抗告訴訟の対象となるか,(イ)本 件引渡請求により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときに当た るか(行政事件訴訟法25条2項),(ウ)本案について理由がないとみえると きに当たるか(同条4項)である。 申立人は,要旨,(ア)本件条約に基づく引渡請求は引渡しを求められている 者(以下「引渡請求対象者」という。)の人身の自由等の基本的人権を侵害す るものであるから,本件引渡請求は行政処分に当たり,抗告訴訟の対象となる, (イ)申立人は高度の技能を有する産婦人科医として,他の産婦人科医が治療す ることのできない患者を世界中から受け入れているところ,申立人が日本国に 送還されれば申立人の基本的人権が侵害される上,多くの患者の生命を危険に さらすこととなるから,重大な損害を避けるため緊急の必要があるときに当た る,(ウ)本件引渡請求は,①本件各被疑事実がいずれも建造物損壊罪の構成要 件に該当しないこと,②本件各逮捕状は1年という長期の有効期間を定めてお り刑事訴訟規則142条1項6号に違反すること,③本件各逮捕状の有効期間 は既に満了していること,④同一の被疑事実につき,2通の逮捕状が発付され ており,一罪一逮捕の原則に反すること,⑤申立人の米国における産婦人科医 としての活動状況に照らすと,本件引渡請求を相当とした処分行政庁の判断は 裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たることから,違法な行政処分というべ きであり,本案について理由がないとみえるときには当たらない旨主張してい る。 これに対し,相手方は,要旨,(ア)日本国が請求国としてする本件条約に基 づく引渡請求は,被請求国である米国の権限のある当局を名宛人として,その 職務権限の行使を依頼するものにすぎない上,引渡請求に応じるか否かは米国 当局の判断に委ねられているため,引渡請求対象者に義務を課されることが必 然であるとはいえないから,引渡請求対象者の権利義務を形成し又はその範囲 を確定する行為であるとはいえず,行政処分に当たらないため,抗告訴訟の対 象とならない,(イ)申立人が他の産婦人科医において治療することのできない 患者を多く受け入れている事実は疎明されておらず,重大な損害を避けるため 緊急の必要があるときに当たらない,(ウ)本件各被疑事実の構成要件該当性や 本件各逮捕状の発付の適法性について行政事件訴訟において争うことはできな い上,第三者である患者の利益をもって裁量権の範囲の逸脱又はその濫用をい う申立人の主張も失当であるから,本案について理由がないとみえるときに当 たる旨主張している。
主文(判決文より)
1 本件申立てを却下する。 2 申立費用は申立人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。