裁決取消請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成29(行ウ)34
判決日2017-11-08
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 本件訴えについての訴えの利益の有無(本案前の争点)
(2) 本件審査請求についての不服申立適格の有無(本案の争点)
3 争点に関する当事者の主張の要旨
(1) 争点(1)(本件訴えについての訴えの利益の有無)について
(被告の主張)
一般に,それを受けなければ一定の工事を行うことができないという法的
効果が付与された処分について,当該工事が完了した後もなお当該処分の取
消しを求める法律上の利益が肯定されるためには,①当該処分の存在が監督
処分としてされる違反是正命令の法的障害となっているなど,当該処分に工
事の結果を適法なものとして通用させる法的効果が併せて付与されているか,
②当該処分が取り消された場合には原状回復義務が生じ又は違反是正命令を
発することが法的に義務付けられるなど,当該処分の取消しに国民の権利利
益を救済するための法的効果が付与されていることを要する。
本件では,本件許可処分に係る駐車場及び車路の新築工事は完了している
ところ,①自然公園法20条3項の許可がされた後にその許可が取り消され
遡及的にその法的効果が消滅したとしても,許可が有効であることを前提と
してされた工事が遡って無許可工事となり,当該行為者が同法34条1項の
原状回復命令等の対象となるものではないから,当該許可の存在が監督処分
の法的障害となっているとはいえず,当該許可に工事の結果を適法なものと
して通用させる法的効果が併せて付与されているとはいえない。また,②当
該許可が取り消された場合に,行為者に原状回復を義務付け,あるいは行政
庁に原状回復命令等を義務付けるといった法的効果が付与されていることを
うかがわせる規定もなく,その許可の取消しに国民の権利利益を救済するた
めの法的効果が付与されているともいえない。
したがって,本件許可処分については,その許可に係る工事の完了によっ
てその取消しを求める法律上の利益は失われたというべきである。
そして,審査請求を棄却又は却下した裁決の取消しを求める訴えの目的も,
究極的には原処分の取消しを求めることにあるから,原処分を取り消すこと
について法律上の利益が消滅した場合には,その処分に係る審査請求を棄却
又は却下した裁決の取消しを求める訴えの利益も消滅するため,本件訴えは,
訴えの利益を欠き不適法である。
(原告の主張)
自然公園法20条3項の許可は,特別地域内で行うことが全面的に禁止さ
れている風致の維持に影響を及ぼすおそれのある行為について,法令で定め
る基準に適合する場合に限ってその禁止を解除する行政処分であり,許可さ
れた行為の動作をすることだけではなく,許可に従った動作の完了後の状態
を保持することについても,それを許容する法的効果を有する。同項1号の
工作物の新築についての許可であれば,新築工事をすること

主文(判決文より)

1 本件訴えを却下する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。