事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(ワ)393 |
| 判決日 | 2017-11-30 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条、特許法65条1項、特許法102条2項 |
| 当事者 | 原告 株式会社アロマスペース/被告 桐灰化学株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 ⑴ 被告製品の構成要件充足性 なお,被告は,後記ア~ウ以外の構成要件の充足性について争っていない。 ア 構成要件A「微小孔」の充足性 イ 構成要件A「表面に吸着・乾燥剤を付着させた」の充足性 ウ 構成要件B「保護シートの裏面に形成した粘着剤層」及び構成要件D - 3 - 「衣服の汚れ防止シート」の各充足性 ⑵ 効果不奏功の抗弁の成否 ⑶ 本件特許の無効理由(サポート要件違反,実施可能要件違反)の有無 ⑷ 補償金及び損害の額 4 争点についての当事者の主張 ⑴ 争点⑴(被告製品の構成要件充足性)について ア 争点⑴ア(構成要件A「微小孔」の充足性)について (原告の主張) 被告製品の不織布層は,エンボス加工が施され,これによりおおむね1 6~25個/cm2の多数の微小孔が形成されているとともに表面に凹凸 が設けられ,メッシュ状となっているから,構成要件Aの「微小孔」を充 足する。 (被告の主張) 本件発明の微小孔は,ほこりや汗が衣類に直接付着することを防止する という従来技術の利点を損なうことなく衣服の汚れ防止シート全体に対し て通気性を付与するものであるから,「微小」は,ほこりや汗のしずくの 侵入を防ぐ程度に小さいことを意味している。ところが,被告製品は略正 方形の形状を有する孔の一辺は約1.5mmであり,ほこりや汗が容易に 貫通するから,構成要件Aの「微小孔」を充足しない。 イ 争点⑴イ(構成要件A「表面に吸着・乾燥剤を付着させた」の充足性) について (原告の主張) 被告製品は,不織布の表面上に乾燥剤として用いられているシリカが付 着している。また,不織布又はこれを加工したものに何らかの物を添加し なければ,被告製品の包装紙の表面に表示されている「汗を素早く吸収」, 「サラサラ快適に」との効果は奏し得ない。したがって,被告製品は構成 - 4 - 要件Aの「表面に吸着・乾燥剤を付着させた」を充足する。 (被告の主張) 被告製品の製造工程には不織布の「表面に吸着・乾燥剤を付着させ」る 工程はないし,被告製品の不織布層表面に観察された物体はインク顔料を 含んだ剥離紙の一部であり,吸着・乾燥剤に該当し得る物体は全く観察さ れなかった。シリカが含まれるとする原告の分析結果(甲5,6)は,不 織布以外の部分も試料にしたものであるし,仮に一定量(1.1μg/c m2)のシリカが検出されたとしても,それが吸着・乾燥剤として機能す る構造を有するものとは限らないし,上記の量では吸着・乾燥剤といえな い。したがって,被告製品は構成要件Aの「表面に吸着・乾燥剤を付着さ せた」を充足しない。 原告は,被告製品の包装紙の表面の表示を指摘するが,不織布には吸水 性があり,これに基づく作用効果を記載したにすぎない。 ウ 争点⑴ウ(構成要件B「保護シートの裏面に形成した粘着剤層」
主文(判決文より)
1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。