不動産登記申請却下処分取消請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成29(行ウ)77
判決日2018-01-23
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
本件処分の適法性(本件登記申請に係る却下事由の存否)
4 当事者の主張の要旨
(原告の主張の要旨)
(1) 確定した遺産分割審判書は,家庭裁判所が全ての法定相続人を確定して
手続を進めることが前提とされていること,及びその審判の性質は形成判決
であって,これにより法律関係が成立することから,登記実務上,相続によ
る権利移転の登記を申請する場合の登記原因証明情報として認められてい
る。そして,遺産分割審判は形成力を有するものであることからすると,審
判によって確定した相続人及び相続分等の相続関係は,家庭裁判所の審判に
よって形成されたものであるといえる。そうすると,本件審判書は,被相続
人から認定相続人らに本件不動産の所有権が直接移転していることを認定し
ているのであるから,その相続の過程を公示する必要性はない。
特に,本件の場合,本件不動産について競売手続が予定されており,競売
後は直ちに新たな競落人の名義になることから,相続の登記による公示の期
間は極めて短く,その公示の意義もほとんどない。
これに対し,被告は,本件登記申請は中間省略登記を申請するものであっ
て認められないと主張するが,遺産分割審判が前述のとおり形成力を有する
ことからすると,本件審判によって相続人が確定したといえるため,本件審
判書による登記申請は,そもそも中間省略登記を申請するものではないとい
える。
(2) 仮に,数次相続や相続分の譲渡があるために,本件審判書が被相続人の
相続を原因として認定相続人らに直接所有権が移転したことを証する書面で
あるとはいえないというのであれば,処分行政庁は,原告に対し,本件審判
の確定した日をもって「平成26年6月19日相続人確定」あるいは「平成
26年6月19日審判」等の登記原因にするよう補正を促し,その旨の登記
を実行すべきであり,それをしないまま本件登記申請を却下した本件処分は
違法である。すなわち,権利変動が判決によって生じた場合には,「年月日
判決」を登記原因とする登記が認められているのであるから,相続人及び相
続分を確定する本件審判についても,同様にこれを登記原因とすることが認
められるべきである。
(3) また,中間省略登記は,判決主文に基づく所有権移転登記申請において
は広く認められているところ,その理由は,裁判によって物権変動の過程が
確認されているため,その結果のみの公示となっても公示上何らの不都合も
ないということにある。そうすると,本件においても,相続人の認定は家庭
裁判所の審判手続により精査され,確定したものであり,その点は判決と変
わるところがないのであるから,物権変動の過程を公示することに特段の意
味はなく,確定した結果のみを公示したとしても公示上何らの不都合はない
のであり,本件審判書をもって登記原因証明情報とする

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。