事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29合(わ)90 |
| 判決日 | 2018-03-13 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,判示第1の殺意の有無である。弁護人は,被告人の加害行為は - 1 - いずれも被害者の顔に傷をつける目的のためのものにすぎず,被告人に殺意は認 められない旨主張するが,当裁判所は,被告人には殺意が認められると判断した ので,以下その理由を説明する。 2 関係各証拠によれば,次の事実が認められる。 被告人が本件犯行に使用した凶器は,いずれもステンレス製で鋭利な,刃体 の長さ約20センチメートルの牛刀と刃体の長さ約13センチメートルのペ ティナイフであり,いずれも十分な殺傷能力を有する刃物である。被告人は当 時の自宅でこれらを使用しており,その性状については十分理解していた。 被告人は,犯行前日に被害者を判示の病院で襲撃することを決意し,刃物を 収納して身体に装着する用具を購入するなどの準備をした上,前記の牛刀及び ペティナイフを含む3本の刃物を携えて判示の病院内に向かい,同所で丸椅子 に座って事務作業中の被害者を見つけると,そのすぐ左横まで接近して被害者 の名前を呼ぶや,やや左を向いた被害者の左側胸部(ほぼ左脇腹といって差し 支えない部位)をいきなり前記牛刀で1回突き刺し,さらに床に仰向けに倒れ 込んだ被害者の右頸部等を前記ペティナイフで複数回突き刺すなどした。 その結果,被害者は,左側胸部に1か所,右頸部等に合計9か所の刺切創を 負った。このうち左側胸部の刺創は,体表から前方及び上方に向かって体内に 向かい,左第9肋骨が完全に離断して左胸腔を横断し,横隔膜,横行結腸,胃 及び肝臓を貫通して前胸壁に至る長さ約18センチメートルのもので,肋間動 脈や胃大網動脈をも損傷しており,適切な処置がなされなければ,失血等によ り被害者を死亡させる可能性が高いものであった。そして,成人男性の肋骨を 離断するにはかなり強い力が必要であり,犯行により前記牛刀が湾曲している ことからすれば,被告人は被害者の左側胸部に相当に強い力をもって前記牛刀 を突き刺したものと認められる。また,合計9か所に及ぶ右頸部等の刺切創は, - 2 - 4か所が右頸部付近にあり,このうち右耳後部下の刺創は,側頭骨を削って外 耳道に至る長さ約4センチメートルの創傷であって,右頸部等への攻撃中に前 記ペティナイフが床に何度も音を立てて当たり,湾曲して刃先が折れたことも 併せ考えると,被告人は,右頸部等にも強い力をもって前記ペティナイフを繰 り返し突き刺すなどしたものと認められる。 以上のように,被告人は,十分な殺傷能力を有する牛刀とペティナイフを, それらの性状を十分認識した上で本件犯行の凶器として使用し,これらを人体 の枢要部である左側胸部や右頸部等に強い力で複数回にわたって突き刺すな どしたものである。このような行為が,重要な臓器や血管を傷つけるなどして 人を死亡させる危険性が高いものであ
主文(判決文より)
被告人を懲役7年に処する。 未決勾留日数中130日をその刑に算入する。 東京地方検察庁で保管中の牛刀1本(平成29年東地領第2209号 符号1),ペティナイフ1本(同領号符号2)及び金属片1個(同領 号符号3)を没収する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。