著作権侵害差止等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成29(ワ)20452
判決日2018-03-19
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法29条1項、著作権法112条1項

この事件の代理人

  • 大熊裕司(原告代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点
⑴ 原告は,本件映画の共同著作者であるか(争点1)
⑵ 原告は,本件映画の映画製作者であり,被告及びCは,原告に対し,本件映
画の製作に参加することを約束したか(争点2)
⑶ 原告は,本件マスターテープの所有権を有していたか(争点3)
⑷ 原告が受けた損害の額(争点4)
4 争点に対する当事者の主張
⑴ 争点1(原告は,本件映画の共同著作者であるか)について
【原告の主張】
原告は,平成17年5月,仲間の役者と「劇団トリプルエー」を設立し,その主
宰者であったが,映画の製作総指揮を実質的に担当したことがあったことから,劇
団トリプルエーの役者全員がメインキャストとして出演できるような自主映画を製
作することを企画した。そして,同年7月,劇団トリプルエーがCを講師として招
いたワークショップにおいて,Cの助手として参加した被告が,自分なら脚本を書
くことができる,必要な機材は用意するなどと述べたので,被告に脚本及び監督を
依頼することとした。その後,原告はプロデューサーを,被告は監督,脚本,編集,
音楽を,Cは撮影を担当することなどが決まった。
もっとも,被告が書いた脚本は,そのままでは劇団トリプルエーの役者全員がメ
インキャストとして出演するという本件映画の目的を達成できないものであったの
で,原告と被告との間で何度も脚本の改訂を行った。
本件映画の撮影は,同年9月から平成18年5月まで合計23回行われた。その
後,被告及びCが,編集作業を行っていたが,徐々に原告の指示に従わないように
なった。
以上の事実関係からすれば,原告は,本件映画の主演を演じつつ,プロデューサ
ーとして,被告及びCとともに,本件映画の全体的形成に創作的に寄与した者と評
価でき,本件映画の共同著作者と認められるべきである。
【被告の主張】
原告が本件映画の共同著作者であるとの点は否認し,又は争う。本件映画の著作
者は,被告及びCの2名である。
本件映画は,その完成形のイメージを被告が脚本を書いて具体的に提示し,その
イメージを共有したCが撮影や制作進行を行ったものであり,映画の著作物として
の全体的形成に創作的に寄与したといえるのは被告とCである。
これに対し,原告は,本件映画の撮影に際して,勝手にプロデューサーを名乗り
始め,被告も,本件映画の宣伝に際して原告をプロデューサーなりエグゼクティブ
・プロデューサーと表示することは許容していたが,原告がプロデューサーとして
特段の役割を果たしたということはない。原告が行ったのは,本件映画の主演のほ
か,キャスト間の連絡調整,エキストラの募集,一部のロケ地のアレンジ,制作費
の一部の支払程度である。原告が被告とともに脚本の改訂を行った事実はない。さ
らに,撮影後の編集作業や作中曲の選定はいずれも被告が行っており,原告は関与
していない

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。