事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(行ウ)170 |
| 判決日 | 2018-04-18 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,原告が,施行令3条の10に規定する厚生労働大臣の定める 金額以上の収入を将来にわたって有すると認められる者以外の者に該当するか 否かである。 (原告の主張) 原告が本件会社の取締役に就任することとなったのは,本件会社の株式を日 本の株式市場に上場させるに当たり社外取締役が必要であったことや日本国内 における原告の知名度の高さ等が理由であるところ,いわゆるリーマンショッ クの影響を受けて,本件会社は,日本の株式市場への上場を延期することとし, その後,平成22年秋頃には,本件会社の本社機能を香港の現地法人に移転さ せた上で,香港の株式市場に上場する方針となった。本件会社は,この香港の 現地法人への本社機能の移転により役割を終えるため,その役員は退任するこ とが予定されており,また,原告は香港での知名度等はなく,香港の株式市場 に上場するに当たっては社外取締役も必要ではないことから,原告が本件会社 の取締役を退任した後に,香港の現地法人の役員等になることは予定されてい なかった。 このようなAの死亡当時の状況によれば,本件会社の本社機能が香港の現地 法人に移転することに伴い,近い将来,原告が本件会社の取締役を退任するこ とは確実であったといえ,その当時の原告の主たる収入は本件会社からの役員 報酬のみであったから,その退任により収入は大幅に減少し,基準額を下回る ことが見込まれた。 よって,原告は,施行令3条の10に規定する厚生労働大臣の定める金額以 上の収入を将来にわたって有すると認められる者以外の者に該当する。 (被告の主張) 原告は,本件会社が日本の株式市場への上場を取りやめた後も本件会社の取 締役として再任されていること,取締役に就任した際,就任期間を本件会社の 株式の上場までとは限定されていないこと,本件会社の取締役会では,Aの死 亡時点において,本件会社に係る事業再編の具体的な内容や時期,原告が取締 役を退任するか否かや退任の時期についての決議等はされていなかったこと, 本件会社に係る事業再編後の新たな経営体制の案についても,Aの死亡時点で は浮動的であり,本件会社の取締役会で決議されたものでもないことなどから すれば,Aの死亡時点において,原告が,おおむね5年以内に本件会社の取締 役を退任し,その収入又は所得が基準額未満となることが客観的に予測できた とは認められない。 したがって,原告は,施行令3条の10に規定する厚生労働大臣の定める金 額以上の収入を将来にわたって有すると認められる者以外の者には該当しない。
主文(判決文より)
1 厚生労働大臣が平成26年9月18日付けで原告に対してした遺 族厚生年金を支給しない旨の処分を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。