事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成21(ネ)2110 |
| 判決日 | 2010-01-29 |
| 分類 | 知的財産 / 意匠 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点及び争点に係る当事者の主張は,原判決「事実及び理由」第 2及び第3に記載のとおりである。 3 争点1(被告製品意匠が本件登録意匠と類似するか)について当事者双方が 追加補充した主張 (1) 透孔の構成及び共通点1について (控訴人) 需要者は薬液等の透過が十分確保できるかを,本件物品における透孔を全体的に 眺めて判断するため,透孔の全体的な構成が関心事になる。本件登録意匠では,透 孔は,本件物品の大部分を占めているため,需要者が注目する部位となる。かかる 透孔の数,形状や大きさ,配列が一体となって想起させる印象が異なれば,需要者 は異なる美感を想起する。本件登録意匠の透孔の構成と,被控訴人が公知形態とし て掲げる乙6及び乙7の意匠の透孔の構成とは,仕切り等の存在により異なってい る。僅かな公知文献に基づいて,共通点1にかかる構成を,当然出願時公知と認定 すべきでない。したがって,透孔の構成は本件登録意匠の要部であり,共通点1が 両意匠の類否判断に与える影響は大きい。 - 2 - (被控訴人) 乙6及び乙7には小さな正方形のマス目状の透孔が存在し,共通点1のような大 きさの透孔を持ち,あるいは仕切りが存在しない容器は昭和40年代から使用され 続けている。本件物品の透孔は検体を処理するために薬液等を通過させるためのも のであるから,需要者は透孔の具体的配列や総数に特段注目するものではない。 (2) 標本収納部の構成及び共通点2について (控訴人) 僅かな公知文献に基づいて,標本収納部の構成を,当然出願時公知と認定すべき でない。 (3) 共通点5について (控訴人) 共通点5の具体的構成は公知ないし周知ではなく,被告脚部は需要者に注視され るものではないため,共通点5の存在により,需要者は,本件登録意匠と被告製品 意匠について同一の美感を想起する。 (被控訴人) 容器本体の側面に段差を設ける構成は公知であるから,共通点5の形態によって もたらされる美感の程度は大きくない。 (4) 差異点2について (控訴人) 被告脚部に新規の機能があるとはいえない。また,被告脚部は極めて微小な突起 に過ぎず,被控訴人が被告容器について使用を推奨するバイオベッセルトレーを用 いて作成されたパラフィン標本は,容器周縁部まで形成されるのであるから,被告 脚部はパラフィン標本に埋没し,需要者に何らの美感を想起させない。さらに,需 要者は,本件物品を使用する際,容器本体を上部から眺めることが多く,被告脚部 よりも上部に注目する。したがって,差異点2が需要者に対し異なる美感を想起さ せることはない。 - 3 - (被控訴人) 被告脚部は,薬液などをスムーズに流通させる機能,及び,パラフィン標本をミ クロン単位に切断作業する際,当該標本の水平方向の動きを規制して,容器からの 剥離等を防止
主文(判決文より)
本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。