損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成28(ワ)44243等
判決日2018-04-26
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法10条3項、著作権法14条

この事件の代理人

  • 小林実(被告代理人)/第二東京弁護士会

争点(判決文より)

争点
本訴請求について
ア 本件プログラムは著作物に当たるか(争点1)
イ 本件プログラムの著作者は原告か(争点2)
ウ 本件プログラムに係る原告の著作権(複製権又は譲渡権)が侵害されたか
(争点3)
エ 原告の損害額等(争点4)
反訴請求について
反訴要件の有無(本案前の争点)
3 争点に関する当事者の主張
争点1(本件プログラムは著作物に当たるか)について
[原告の主張]
本件プログラムは,効率的なFX取引の自動売買を行うためのプログラムで
あるから,売買の発動条件を規定する上で着目すべき指標及び数値の組み合わ
せが重要である。このような本件プログラムの特性に鑑みると,プログラム著
作物としての創作性は,指標と数値の組み合わせの段階で把握されるべきであ
り,その組み合わせを実現する具体的手段の段階で把握されるべきではない。
したがって,本件プログラムのうち創作性を有するのは,売買の発動条件を
規定する指標及び数値の組み合わせ,すなわち本件本体部分中の「手法メモ」
(別紙1の赤枠部分。以下「本件手法メモ部分」という。)をプログラムとして
記述した部分である。本件プログラムは,本件手法メモ部分において優れた独
創性・個性を発揮しており,著作物性が認められる。
[被告の主張]
プログラムの著作物に対する著作権法による保護は,その著作物を作成する
ために用いる解法(すなわちプログラムにおける電子計算機に対する指令の組
み合わせの方法)には及ばない(著作権法10条3項)。このように,プログラ
ムの著作物として保護されるのは,具体的なプログラム記述の表現であって,
アイデアやアルゴリズムは著作物として保護されるものではない。
本件手法メモ部分は,本件プログラムの作成に当たって,どのような指標を
どのような数値で摘出し,どのように組み合わせるかにすぎず,まさにアイデ
ア又はアルゴリズムそのものであるから,本件プログラムは著作物として保護
されるものではない。
争点2(本件プログラムの著作者は原告か)について
[原告の主張]
上記 のとおり,本件プログラムのうち創作性を有するのは,
本件手法メモ部分をプログラムとして記述した部分である。本件手法メモ部分
を実際にプログラムとして入力する行為の多くはC(以下「C」という。)が担
当したが,FXの自動売買という機能との関係で知的創作活動の本質を構成す
るのは手法のロジックであり,ソースコードではない。そして,本件手法メモ
部分に係る手法ロジックを創作したのは原告であるから,本件手法メモ部分を
プログラムとして記述した部分の著作者は原告である。
また,本件プログラムには「erupi」との表示があるから,著作権法14条に
より,erupi こと原告が著作者と推定されるところ,被告は同推定を破る具体
的事情を主張していない。

主文(判決文より)

1 原告は,被告に対し,12万円及びこれに対する平成29年3
月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告のその余の反訴請求及び原告の本訴請求をいずれも棄却
する。
3 訴訟費用は,本訴反訴ともに,これを5分し,その4を原告の
負担とし,その余を被告の負担とする。

出典

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